2024年度、新年度になりました。
世間は相変わらず賑やかで、あれやこれやと蜂の巣を突かんばかりの鋭さ。
こんなのどうなのよ?という疑問点も多々ありながら、ひたすら前を見つめています。
鉄道界隈でも、それは同じ。
それは鉄道そのもの以外にも、取り巻く人々のあれやこれやも。
3月9日土曜日午前10時、東京駅。
この日は夜に渋谷で、前週3日に続いてライブ鑑賞を組み込んでいた。
出演2組のうち一方は昨年6月に再会、もう一方はなんと約8年以上?になる再会。
SNSの繋がりは維持していたので感覚がおかしかったが、何れにせよ久々に会える機会があれば
うまくタイミングを合わせたい、という強い思いから早めにスケジュールを確保していた。
これは、昨年来の情勢に鑑みたものが大きく反映されている。
その傾向は、鉄道界隈でも垣間見えてきており…
それが昨年の同じ頃に中部地方に弾丸遠征したりもしていたが、近場もそれは同じ。
既に撮影の手を尽くし始めていた千葉方面へ、いよいよ更に一段突っ込んだ小遠征を計画した。
ライブの始まる夕方までの制約はあるが、十分に動けると判断した。
事前準備が少なくても、ある程度動ける手軽さもその実行を後押ししてくれた。
ということで、横須賀・総武快速地下ホーム2番線に停車しているのは…
255系。
千葉界隈が予想以上のゴタゴタを見せ、京葉線系統が一転6月末まで“撤退延長”となっているが
総武線系統の「しおさい」からは、回送を除いて予定通りダイヤ改正で撤退した。
地下区間のATS-P切り替えにより入線可能となって以来およそ18年、183系の後を受けて運用を
続けてきた255系だったが、新製配置以来30年余りの老朽化や輸送力適正化、運用見直しの波は
待ったなく進んできており、今回の勇退となったのだった。
…それにしても、以前にも書いたがこれまで255系には意外なほど乗っていない。
今回の勇退に際して、過去の記録を総浚いしてみたのだが、そもそも千葉方面の縁が薄いことと
ことに銚子行きの際には意外にも普通列車乗り継ぎが多かったり、E257系500番台乗車という
今にしてみればレアなケースがあったりして、255系を利用する機会は多くはなかった。
実際、255系を利用したのは、2018年の7月に銚子電鉄で開催されたシアターキューブリックの
ローカル鉄道演劇「銚電スリーナイン」を観劇して以来のことになったようである。
この時は台風の影響で総武本線が一部不通のまま見切り発車し、カレチ氏からも
一応千葉までの最安値で買ってください。後々精算しましょうw
と言われつつ、どうにか無事に銚子まで走り抜いたのだったっけな。
そんなことを振り返りながら、久しぶりに銚子に向けて旅することにしたのだ。
さて、乗車に際して久々に255系に近づく。
遠目に見るとまだまだ、と思っていた255系も、近づくとやはり疲弊ぶりは半端ない。
千葉地区の電車全てに共通して言えることでもあるが、全体的に薄汚れ、窓はぼやけるくらいに
なっているのは痛々しく、いざ乗るとなるとそれがさらに現実として差し迫ってくる。
さすがに東京駅となると、それなりに撮影者が集まっている。
…そしてこの日、その集まりの中にひとつの不穏な空気を察知した。
ここのところ、Xなどでやけにトレンドに上がってくるアレである。
これは、目的地は同じなのか…?
なにか一波乱起きるのだろうか…??
そんな一抹の不安を抱えながら、10:11。
特急しおさい3号は、定刻通り発車した。
改めて乗ってみて、今まで気にも留めてこなかったアイテムを見つめゆっくり…
といきたいところだが、どうにも落ち着かない。
車内放送を録音するために、頭上で手を伸ばしているのがいたりするのはまだ分かるが…
何故チヤホヤしているのか、そうされて自惚れているのか、双方の考えがまるで分からない。
ふと確保した座席に腰掛けていて、そのやり取りのする方向を苦々しく思うのみだった。
列車は地上に出て、錦糸町へ。
何度となく、この錦糸町で目撃してきたはずの255系。
しかし、あまりに身近すぎた故に顧みることはこれまでほとんど無かった。
その微妙な関係を少しでも縮めるべく、ここからまた動いていこうとしていたのだが…
とりあえず、東京駅で買い込んだ朝食と共にビールを飲んで気持ちを紛らわせる。
とりあえず、自分が黙していれば、関わっていかなければ、それで良い。
幸いにして、しばらくすると周りもすっかり静かになっていた。
少しのビール酔いに心地よくすらなりながら、淡々と久々の255系の旅を堪能していく。