自分の中で、意外に東急電鉄への興味歴は長い。
最初に興味を持ったのは1990年頃で、当時活発だった初代7000系などの地方私鉄への譲渡や
田園調布駅の地下化に伴う一連の改良・切替工事など土木的なものにも興味を持っていた。
特に地下化工事は、東横線の東白楽〜反町間や渋谷〜代官山間など、折々に話題になるくらいの
ダイナミックさ、かつほとんど運休せずに一気に切り替えるのが大きな魅力だった。
一方、車両的には営業用車両がオールステンレス化されて久しい。
自分が実際に利用するようになった1995年頃には既に統一されていたし、折々に新製や改造で
甲種輸送が地元界隈を通る以外は、積極的に記録に動いたことはあまり多くはない。
8500系こそ近年のコルゲート車希少化や走行線区利用増で記録機会は多かったが、それ以外は
どちらかというと比較的地味で、記録はかなり散り散りになっている。
ことに軽量ステンレス車に関してはそれが顕著で、第一世代の8090系が大井町線から撤退した
2013年の時にはほんの僅か記録した程度、田園都市線に残っていた8694・8695Fについても
遭遇率の低さもあって、記録に本腰が入り切らぬままに見送ってしまっている。
ただ、秩父鉄道に譲渡された時にはそれなりに追った記録が手元に残っていたが。
…ただ、こと9000系になると、より記録が希薄な状況。
ただ東横線時代は、桜木町駅廃止前後や渋谷駅地下化による撤退前に多く記録。
しかし、大井町線転用後だとガクッと記録蓄積が落ちてしまう。
先の8090系が大井町線から引退した頃は、方向幕時代の記録が少々発見されたが…
6020系が運転開始した少し後の時は、8500系の記録は仕掛けていたが、当日の撮影フォルダを
見返してみてもほとんど9000系には目を向けていなかったらしい。
そのあともイベントのタイミングで8500系や8090系8694・8695F、はたまた1000系とかに
注目をしていた割に、やはり9000系に注目はおろか記録すら見当たらない。
それから半年、ようやくここで、ちょっとだけ記録の片鱗があった。
あくまでもメインは7700系、出してないけど前後に8500系の記録はあった。
つまりは9000系はすっっっごく地味な存在だった。
この2018年時点では、6020系→8500系の順で積極記録していたようだったが…
そして、乗車していても短区間だと乗っただけでおしまい、という可能性もある。
特に田園都市線も絡むと、8500系以外では撮ることすらしないことはままあった。
それでも昨年のちょうど今頃は、8500系に乗じほんのちょっとだけ気にかけていたらしい。
また9020系の前身の2000系も、そもそもの編成数の少なさから遭遇率も極めて低く、それこそ
偶然にたまたま、というのが数回ある程度であった。
…これらは、いざ完全引退した時の振り返りの時に出すまで取っておこう。
ともかく、9000・9020系も先が見えてきた。
プレスで大井町線向け新造車の設計に着手、なんて出たからには、早めに記録に動こう!
ちょうど記録対象も少なくなって手持ち無沙汰になってきていた頃だし!
…こうして5月13日、土曜日。
ランチに行ったのは池袋だったのだが、勢い駆って副都心線経由で渋谷から田園都市線に乗換。
二子玉川駅から撮影をスタートしたのだった。
いきなりやってきたのは、2000系を5両化・更新改造した9020系9121F。
運用線区が縮小してからは、相対的に遭遇率が上がっているように感じる。
…ただこの日は、雨こそほぼ上がったものの微妙な空模様であった。
これからしばらくは、いざ撮影機になっても天気には微妙に翻弄されることになる。
続けては、二子新地を通過する各停。
大井町線は、二子新地と高津を通過するG各停と、両駅に停車するB各停(通称)が存在する。
色違いのみで甚だ紛らわしく、田園都市線に快速が無い現在「区間快速」とか付けられないかと
疑問のまんま設定から10年以上が経っていて、沿線には慣れているからいいのか…?
そして、二子新地で出迎えたのはB各停に入っていたトップナンバーの9001F。
唯一の1985年度、1986年製である。
8500系の引退により、東急電鉄における最古参車はこの9000系9001Fとなった。
“昭和”と書かれたメーカープレートも、減少の一途である。
9001Fは東横線⇆大井町線の移動の変遷が多いが、東横線では最後まで残ったうちの1編成。
正式に大井町線に転入したのは2013年6月である。
9000系は、大井町線生え抜きの9007F以外は当初は8両編成で東横線に配置された。
大井町線全面転用に際し、サハ9700・デハ9300・サハ9800が編成から外されている。
このうちのサハ9715の車体が、武蔵小杉東急スクエア展望デッキの壁面に利用されている。
運転席は、年代によってATC-Pなど必要設備が付加されてきた。
そして、大井町線といえば、今は九品仏駅にのみ残った「ドアカット」である。
溝の口側クハ9100の各扉、窓と鴨居部LED案内表示器左側にステッカーが貼られている。
停車する各駅停車全列車が対象のため、利用客には完全に定着している。
高津で、再び通過するG各停に遭遇。
現状、駅を通過運転する9000系はこのG各停のみである。
そして、溝の口へ。
溝の口では、田園都市線直通急行を除く終着の全列車が2番線に到着。
一旦長津田方への引き上げを継続している。
そしてここで見ておきたいのは、9000系同士の並び。
他に二子玉川など相対ホームで見られる可能性はあるが…
少なくならないうちに存分に収めておきたい風景の一つになるだろう。
そして、綺麗に編成を収めることも。
ただ、大井町線はホームドアの整備が完了している。
これまでなら訳なく収められた駅頭での走行写真も、駅によっては非常に困難な環境に。
そのことを今回の集中記録の過程で、嫌というほど知っていくことになっていくのである。
これまで田園都市線の車両ばかり撮る機会が多かった溝の口駅。
実際、田園都市線でも撮っておきたい系列はまだあるのだが…
これから先、視点が大幅に変化していくことになる。