2021.2.24 西武9000系9104F廃車回送【前】〜通勤型鋼製車10両固定編成の終焉 | たいちょ〜の心のつぶやき 第2章

たいちょ〜の心のつぶやき 第2章

『縁は、連結する』鉄道など交通を中心に興味の赴くままに、日々呟き語るブログ。
※最近すっかり鉄道ルポタージュ化してますが、言いたいことを素直に言うという意味でブログタイトルは変えてません。

もうそろそろだ。

そんなことはとっくの前から、勘付いていた。

西武鉄道9000系10両編成

昨年12月に9103Fが離脱して以来、残るのは9104Fの1本のみ。
これが西武鉄道にとってはおろか、何と日本国内で最後の10両固定の通勤型鋼製車となっていた。
そのなかで自分は前者の理由から注目をし、昨年12月10日以降撮影を増やしていた。
仕事の用務先に西武池袋線沿線が増えたことも手伝い、順調に撮影データの蓄積が進んでいた。

というか、日本国内最後だということにはすっかり気づかないままだったが…

そんな取り組みをしている中で、長く知己を得ている方から「2月24日に廃車回送」の話を耳に。
様々に情報が錯綜していて迷ったが、ちょうど業務切り替わりのタイミングにも合致していたので
一日休みを取って最後の撮影に赴くことに決め、朝から動き出していた。

8:30頃、小手指車両基地
この時には、小手指車両基地内で最後の発車を待っていた。
すでに21日を最後に運用を外れ、基地の構内を時折移動したり幕を変えられたりwしていたのだが
「回送」幕を出して佇む姿に、その時が近いことは薄々感じ取れていた。

しかし、耳にしていた小手指の発車時間は昼頃。
これまでのパターンからしても、それが濃厚かなという判断。
ならば少し余裕があるかなと、ここで一旦秋津に逆戻り。
本を買って、その後には軽く食事しておこうかな…等々していたら、10時過ぎに

早いスジだったみたいです

とメールが⁉️

どういうことかというと、昨年秋の新101系261Fの回送時刻で小手指を発車してしまったらしい。
そのままだと、横瀬には後のLaviewに乗ってもどう頑張っても追いつけないと…

マジかっ‼️😱💦

泡食って秋津を飛び出して、飯能からは特急「ちちぶ11号」に乗っていったのだが…
さらに情報が錯綜して愕然とする。

武蔵丘にいる

ま、マジかっ⁉️😱💦💦

それを知って、しばらく進行方向左側に顔を向けていたら

本当にいた‼️😱💦😱💦

もしかしたら、そのまま武蔵丘車両検修場に入場か?
など様々憶測が乱れ飛ぶ中でLaviewは横瀬に到着、先に着いていた同業氏と会話を交わしたりして
思案に思案を重ねて、フリーきっぷを活用する形で「とりあえず」吾野まで一度逆戻り。
これだけ情報が錯綜していたので駅周辺にも誰もおらず、一人だけで寂しく待つ。

このまま来なかったらどうするかねぇ、の図😓

とりあえず先に聞いていた時間に来なかったら帰る、と決め込んで待つことしばし。

き、きたー‼️😳

13:09。
ホームの無い吾野駅3番線に、9104Fは本当にやってきた。

ここに来たということは、間違いなく10両編成での運用が終わる。
そんな複雑な気持ちを乗せながら、一人だけでシャッターを切り始めた。

しかし、そう悠長に構えてもいられなかった。

吾野駅からは、西武秩父行きの各駅停車が13:14にある。
それで先行していかないと、後の列車ではこの廃車回送を追い切れないという。
そのため、数十秒撮ったら全力で走り出し、列車に乗るという厳しいミッションを課すことに。

踏切を渡り、撮っては走り、を繰り返す。
この時、運転士氏がこちらに気づきわざわざ前照灯を再点灯してくださった。

そして走りに走り、吾野駅手前のアップダウンに苦しみながらどうにか列車到着前に着けた。
この時点で息も絶え絶えで、死ぬんじゃないのかとすら感じたのはここだけの話である(苦笑)

そうして、すぐに西武秩父行きが飛び込んできた。
どちらも同じ101系の車体更新車で、4000系のほうが車体すらも古いというのに皮肉な結果に。
やはり9000系は本線系、かつ優等列車運用ばかりだったから過酷だったのかもしれない。

てことで、13:14、一足お先に吾野を発車。
しばらく身体を休めつつ、横瀬まで。

横瀬に着いても、まだしばらく息は乱れていた(苦笑)
しばらく待つことしばし…

13:45頃、ついに最後の駅へ。

初めての横瀬駅到達が、10両編成最後の務め。

しかし、感傷に浸る間もなくすぐに動き出す。
まずは西武秩父方に引き上げられ…

13:52、車両基地内に入換を開始。

そして13:53には、静かにあっさりとパンタグラフが下ろされた。
これで、もう10両編成で自力で走ることはない。
日本の通勤型鋼製車最後の10両固定編成の歴史が完全に終わった瞬間だった。

即座に、飯能方クハ9104にアントが連結。

アントの甲高い唸りを響かせて、13:58には早速構内への引き込みが開始された。
最後の準備が、粛々と始まった瞬間だった。