伊豆急行100系・その記録と記憶 | たいちょ〜の心のつぶやき 第2章

たいちょ〜の心のつぶやき 第2章

『縁は、連結する』鉄道など交通を中心に興味の赴くままに、日々呟き語るブログ。
※最近すっかり鉄道ルポタージュ化してますが、言いたいことを素直に言うという意味でブログタイトルは変えてません。

伊豆急行100系。
その存在を知りながら、実際に接する機会はこれまでほとんど無かった。
住んでいる地域柄、行きにくいところだったのももちろんある。
それに、前にもここで書いていたが、

家族での伊豆旅行は、基本的に車で行くのが定番だった

ことが一番の大きな理由だったからだ。
いざ車で行っても、意外と並走はおろか伊豆急行線自体を見れる場所に近づけたこともなかったし。
そんな状況だから乗るのはもちろん、写真を撮るなんてことすらもまるで機会に恵まれなかった。

そんなことから、実際に接することができたのは100系としては後期になる1991年の夏のこと。
1991年8月25日、日曜日。
伊東駅にて

既出になるが、伊東への家族旅行の帰路のリゾート21を待つ間にやってきた、100系の普通列車。
これが自分にとっての最初の接点になった。

が、当時の自分はそんなに古い電車には興味がなかったらしい。
とりあえず1枚撮ったという感じだが、シャッターのタイミングも実に中途半端。
ご多聞に漏れず、新しいものの方が好きな小学6年生だったらしい。

さて、その後どうなったか。
実は、その5年後に実際に乗れる機会がやってくる。

1996年9月27日、曜日。
伊東駅にて

9月のど平日に、何故に伊東へ?
学校をサボって出かけていたのか??

と思う向きもあるだろう。
実はうちの学校は当時前期・後期の2期制で、前・後期が変わる9月後半に短い休み期間が存在した。
この年の所謂秋休みに専門教科のO先生のお誘いで、日帰りで伊東に「研修旅行」に出掛けたのだ。
何故そういう旅行に誘われて参加することになったのか、今となってはまるで思い出せないのだが…
先生と自分含む同学年別学科の生徒と3人くらいで、東海道線〜伊東線の普通列車で伊東まで行き…
ホテルや旅館など確か3ヶ所を巡り(うち1ヶ所はホテルサンハトヤ)日帰り温泉にもしっかりと入ってきて
その帰り、JR伊東線内で初めて乗車する機会を得たのだった。

写真を再発掘してみて初めて思い出したのは、偶然にも熱海側先頭がクモハ103だったということだ。
だからどうってこともないのだが、最後まで残ったのがこのクモハ103だったから縁はあったのだろう。

この時は、下田寄りのクモハ125に乗車したようだ。
片運転台のクモハ110形のうち、高運転台仕様の後期型。

秋休みといえど、まだ残暑厳しい9月の終わり。
時々窓を開けて走りを満喫していたようだ。

伊豆多賀では、JR東海の113系を使用した普通列車と交換。
この頃、何故かJR東日本〜伊豆急行線内しか走らないJR東海静岡運転所配置車の運用があった。

運転台もしっかり撮っていた。
クモハ125は茶色ベースだったのだな。

そして、熱海駅に着いて編成を眺めると、

元祖ロイヤルボックス・サロ1801

が連結されていた。
しかし、この列車の各先頭にはロイヤルボックス連結列車の証のヘッドマークの取り付けが無かった。
非営業だったのか、それともただ単に忘れられていたのか、既に取付を廃止していたのかは定かではない。

いずれにしても、元祖ロイヤルボックスとはこの時がただ一度のみの出会いになった。

…それから20年後。
2016年5月10日、火曜日。

実に四半世紀越しになった、初の伊豆急行線乗車。
クモハ103以外の100系グループは姿を消し、後に入った200系もすでに居ないという中での訪問。
伊豆高原駅入線時に、一瞬の再会。

さらにその3日後。
2016年5月13日、金曜日。
伊豆急下田駅にて。

団体運用中のクモハ103に、ついに間近に接する機会があった。

オリジナルのヘッドマークとサボに郷愁。

帰路、伊豆稲取の貨物線に入線している姿も見た。
復活の経緯も知ってはいたから、まだ撮る機会はおろか乗る機会もあるだろうとタカをくくっていたが…
何より鉄道に求められるのは【安全】、利用客の減少に苦しみつつも保安装置の更新を進めている現状では
旧型車両の保守に手を割いている余裕は限りなく少なくならざるを得なくなってきているのだろう。
ことでんの件も然り、ただ鉄道趣味人の邪なこだわりだけではやっていけない現実を直視していかねば。

今年3月17日、日曜日。
伊豆高原にて

それでも今年、再引退にあたり多くのイベントを仕掛けてくれた伊豆急行に感謝。

今年5月31日、金曜日
伊豆高原駅にて

動いている時も、休んでいる時も、さまざまな姿を魅せてくれた東伊豆の名車。
その記録と記憶を、ささやかながら感謝を込めてこのブログに書き残しておきたい。