常になにか違うと思わせてくれた男、聞間拓。
その男が放つ、不器用ながらも真っ直ぐに貫く一本の槍。
その破壊力は、計り知れない力をもって我が身に、其々の
いつもの相方、to-ru君はいない。
さらには、サポートも居ない、ゲストも居ない。
自身の35回目の誕生日に、ひとりっきりで、その大舞台に挑んだ。
場所は、ききまたくにとっては縁深き吉祥寺のStar Pine's Cafe。
今まで、様々な場面を共に過ごして来た。
一番最初に出会ったのは、彼が四国お遍路の旅から帰ってきた直後だから約7年半前。
その後はしばらく、一人で弾き語りをしている姿を主に見てきた。
だから、今回のスタイルはその原点を思い出すものではあった。
それでも、ここまでがっつりとひとりきりでやりきるライブは自分も初めてだったが。
しかし、その彼のスタイルはこの7年半で大きく変化していた。
より真っ直ぐに、より深く。
それこそ「一本槍」のタイトルにあるように、突き抜ける破壊力を兼備していた。
それは、普段からの聞間拓、歌い続けている聞間拓を見続けていて気付いてはいた。
喜んでいる時も、怒っている時も、哀しい時も、楽しい時
激しい言い争いもしたし、真っ直ぐに気持ちをぶつけて、ぶつけられてき
様々なバンドとしてギターを弾き、歌う姿も見た。
大好きだった場所からの突然の別れ、それに対してキツく当たったこともあった。
幾度もライブにお誘いを受けても、意識的に距離を置いてきたこともあった。
やっと気持ちが定まり本格的に移行して、一年半。
それからも、幾度も逡巡しては幾度もぶつかり、付いたり離れたりを繰り返してきた。
でも、それはすべて過程でしかない。ゴールはまだまだ遥
このライブも、また然り。
次々放たれる新たな分身たちに想いを乗せて、まだ先に走
いくら不器用でも、その熱さがあればきっとうまくいく。
そう思わせてくれる稀有な存在が、この男の凄さ。
そう思わせてくれたのが、昨日のライブだった。
ここ数ヶ月、果てはここ数日で一気に湧き出た曲達をメインに過ごした二時間強。
今までとは全く違う、新たな聞間拓のステージを全身に感じることが出来た。
また、素晴らしい時間の思い出が自分の一ページに刻まれた。
一日一日に、無駄なんてものはなにも無い。
生きていることに感謝して、大事に大事に。
彼は、その思い一句一句を歌に込めて、メッセージに込めてストレートに放ってくる。
このライブで、また新たなドアが、確かに開かれるのが見えた。
荒削りでもいい、まだまだ走り続ければいい!
そこにあるドアは開いていけばいい!
走る限りは、俺も力の限りについていく!
ただ熱いだけで十分!
俺もそうやって生きているし、これからも大事に生きていくから!
その歌が、そこにあり続ける限りは。
拓ちゃん、35歳の誕生日おめでとう。
そして、いつもありがとう。
これからも、これからも。