だいぶ迷っていた。
先月末以来のモヤモヤが、我が足をキツく硬く踏みとどまらせていた。
【費用対効果】
ここ数年、ライブに参加するにあたってこだわり続けてきた言葉。
投資に見合った楽しみ方ができているかどうか?ということ。
それにとことんこだわることで、一回一回のライブ参加の質が上がっているか?
その精査を経た上で、自分の基準に満たないものは容赦なく断捨離してきた。
でもそれは、大概の場合ミュージシャン側の因に拠るものだった。
キーが下がったとか、構成がグダグダだったとか、演奏者にやる気が感じられないとか。
8000円出して一回行って満足できないなら、3000円出して三回行って満足したい。
自分の財布からお金を出す以上、とことん楽しみたい!ということ。
それは聞き手心理からすれば、至極当然な成り行きとも言える。
では、そうでない場合はどうなるのか?
今回はそうでない場合だったことが、自分の気持ちをいたく迷わせた。
はなから関西方面に行かない事に関しては、既に早いうちに決めていた。
先に決めたこのライブ自体が良いものになるというのも、わかりきっていた。
それでも実行可否は、折からの台風の影響もプラスされてギリギリまで決まらなかった。
これに至るまで、行きたかったこのつながりのイベントも三本飛ばした。
しかし今回は、退路は無かった。
まず、事前にFacebookのイベントページに参加表明を先んじて出していた事。
それもあって、ライブ前に行われたツイキャスで『来るよね?』と名指しで振られた事(爆)
それもあって、腹を括ることにした。
この時点ですでに一つ、スイッチが入っていた。
心配されていた天候も持ち、東京ヤクルトスワローズのバレンティンも本塁打記録を更新した昨日(笑)
いろいろな意味で記憶に残る一日に、結果としてまた一つ輝く記憶が刻まれることになった。
天候が持ったとはいえ、外は身体にまとわりつくような台風特有の湿気。
それに追い打ちをかけるように、自らの胃が再び悲鳴を上げ始める。
鈍い痛みにもがきながら、始まりを待っていた。
しかし、それでも会場の中は終始爽やかな風が吹き抜けていた。
それはライブが始まり、より顕著になった。
時にジャズやボサノバのリズムに乗り、時にはしっとりと。
その爽やかな音楽の風は約二時間半、台風の不快感はおろか…
ここ最近のモヤモヤさえも綺麗にどこか遠くへ吹き飛ばしてくれたようだった。
『Switch of the Switch』
この日、自分も新たなスイッチが入った。
もうひとつ先へ、階段を上がるための大事なスイッチが。
懸念されていたものも、無事に元に戻った。
大事なことに、余計なフィルターは挟んではいけない。
まだまだここで終わる訳にはいかないのだ。
素晴らしい音楽を届けてくれた春山弘臣さん。
その音楽がもたらした一陣の爽やかな風は、間違いなく今日からの推進力になった。
それはこれからも、新しいアルバムと共に…
特別な夜の奇跡に感謝!!