金色夜叉のぶんはまだ書いてないけどなっ!
よし、大門雷電については明日書こう!(信頼度2パーセント)
明日やろうは馬鹿野郎という言葉、どこかで聞きましたが、本当にそうですね。
僕のためにあるような言葉だなぁと昔から思っています☆
『結局明日もやらないだろうは糞野郎』という言葉を思いついたので書いときます、己への戒めとして。
さて、飯田家についてです。
『飯田家の最期』は、父親を亡くし、遺産分割の協議のために、今は空き家となった実家に集まった三兄妹の物語です。
母を事故死させてしまった過去を持つ長男と、その嫁。
自閉気味で、己の趣味に没頭する次男。
借金まみれの彼氏に尽くす長女。
どう考えても協議がまとまる訳がないですね、このメンツ。
はい、もちろんまとまりません。
そこへ現れる弁護士と女子高生。
弁護士は言います。
『この子の名前はゆうなちゃん、君たちの妹です』
ただでさえ上手くいかない家族関係が、この子の登場でさらにグチャグチャに!!
よし、とりあえず鍋を食おう!
という感じの物語です。
(後半をだいぶ端折りました)
僕は西田という弁護士を演じました。
演出の吉田さんと話し、他キャストとのバランスを考え、髪は金髪、奇抜で明るいキャラクターで臨むことになりました。
【行動原理】
さて、明るいといってもただ性格が明るいんじゃあ面白くありません。個人的な意見ですが、役の一色染めは玉子を使わないチャーハンみたいなものです。
脚本上、ドライな面や狡猾な面、締めるところは締める大人な面も持ち合わせている役なので、ベースはクレバーな大人に設定しました。
ですから三兄妹の前で"明るく振る舞う理由"が必要です。
脚本を読んでみると、どうやら西田弁護士はお父さんが生前仲良くしていた弁護士のようです。
『よく常夜鍋をご馳走してもらった』という旨の台詞があります。
長男の嫁や、弟妹とも面識があるようです。
ゆうなを連れて来たのは誰の意思なのか?ということも関係します。
僕はこれを亡くなったお父さんの意思だと解釈しました。
『遺言書が無い』という台詞から
隠し子がいることを家族に打ち明けられず、遺産分与についての遺書を書けなかったお父さんを想像しました。
その事を西田は知っていたor知らなかったという選択肢になりますが、即決で知っていたを選択しました。
知っているほうが複雑な感情になる気がします。
よし!じゃあ勝手に『実は隠し子の件を聞かされておおり、お父さんに家族のこの後が心配だと相談されていた。お父さんが亡くなって以降、隠し子ゆうなを見つけ出し、遺産相続拒否できない3ヶ月後に連れていき、飯田家の家族関係を取り持つことが使命』
という設定にしました。
何故そこまでするのかというと、脚本上、西田は『家族、実家』を異様な程に大切に思っていることがわかります。きっと過去に色々あったのでしょうね。
序盤の台詞『やっぱりここも揉めることになるのか』酔った時の台詞『僕はもううんざりだ』などには仕事上感じていた、お金が家族を崩壊させてしまう悲しさが含まれており、『実家は残しておいたほうが』『だって家族なんだから』という台詞には個人的な思いがありそうです。
仕事上感じていた"家族"の脆さ
お父さんの家族への思いを"知っている"
自分の過去から発生している個人的な"家族"への思い
この3つが西田の行動原理ですね。
長くなりましたが、明るく振る舞うのは
『飯田家がもめることなく、ゆうなを受け入れてもらう為の手段』
ということになります。
この設定にして面白かったのは、場面がヒートして普通ならイライラしてしまいそうなタイミングでも、すごく冷静に台詞を言うことができたところです。
借金まみれの彼氏に煽られても、柳に風でいられます。
具体的な目的があると、人は冷静に事を進められるんですね、発見です。
例えば『じゃあ現金は早急に分割するとして家については改めてってことにしたら?』という台詞なんかがそうです。自分でも驚くほどに相手のテンションをスルーしていました。
愉快な人でいながら、目的を達するためのドライな部分、個人的な思いからくるウェットな部分、仕事上の思いからくる大人な部分、これらをミックスして西田ができました。
正直愉快な面を押し出しすぎた感があり、丸山そのもの?って思う瞬間もありましたが、まだ僕の実力では面白パートに理屈をつける事ができないので、かなり大雑把だったかもしれません。
しかし、お客さんが笑ってくれるならば僕は何でもやります。
意外と思われるかもしれませんが、僕は面白パートが苦手です。
苦手なので、かなり無茶をしてでも、何でもやって死ぬ気で笑ってもらうようにしています。
僕がお客さんで観ても、役者さんに笑わせてもらうと楽しいですからね、楽しんでもらうには笑いはある程度必要だと思っています。
所属する劇団、ボブジャックシアターには、民本、小島という面白モンスターがいますが、あの人たちはナチュラルボーンコメディモンスターなので、あの人たち以上に無茶をしないと太刀打ちできません。
話がそれました。
飯田家の最期、西田弁護士、ともにすごく楽しい経験でした。
お客さんからの感想も、笑って泣ける素敵なお話というものが多く、安心しました。
もっと繊細に、もっと濃密に役と友達になれるように精進します(*´ω`*)