「これはペンですか?」「いいえ、これは丸山正吾のブログです」

img『明日の卒業生たち』初日が終わりました。

普段、外部プロデュースで演出をする事がないので、どうなることやらと思っていたのですが、お客様の拍手の強さで、キャストたちがとても愛された2時間である事を実感しました。

僕の役目も一段落です。

とにかく役者たちの能力が高く、皆とても素直でえげつねぇほど魅力的な人間性だったので、助かりました。

この作品が面白い、つまらないという感想はもちろん分かれると思いますが、もしつまらいと感じたら、それはこれだけの素材を活かし切れなかった僕の責任が100%です、存分に叩いて下さい、なんならDM送って下さい、ひたすら謝ります。

それくらい、今回の座組は魅力的な人間が多いです。

そんな彼らの魅力を語っていこうと思います。
ネタバレはしない方向です。


まずは【矢島舞美さん】
"いい人だ"、"菩薩"だという話は聞いていたのですが、本当にこんな人間存在するのかと疑いたくなるほど良い人です。
歴史に名を残した聖人たちはきっとこんな性格なのだろうと思います。
立ってるだけで華がすごい。この人が笑ってると、もうそれだけでパァッと空間が明るくなる。
お芝居も、全てが丁寧でなにより嘘が全く無い。
これ本当に凄い!全てのセリフが心の底から出ているので、嫌味も無ければ違和感もない。
当たり前に成立してるので分かりづらいですが、とても難しい役で、実は感情移入しづらい役だったりするのですが、恐ろしいほど共感できる役に仕上がっています。

奇跡だと思います。

稽古場でも全キャストが矢島さんの最後のシーンを見守り、最後のセリフを言った瞬間全員が拍手していました。毎回です。

こんなに皆に好かれている人、見た事ない。
これも奇跡です。

これからは彼女を生きる奇跡と呼ぶ事にします。

ありがとう!

【飯窪春菜さん】
矢島さん演じる幸子と因縁のある役。
この人もやばい。
まず、返しが上手すぎます。
脳の回転が早すぎる。
気味が悪いほど当たり前に受け答えするので、アドリブパートなのかセリフなのか、見ていて分からないほどです。
コメディセンスが振り切れてるので、是非次回はコメディ全開で全てを破壊する役も観てみたい。
声の良さ、台詞の明瞭さ、日本語の発語の美しさ、三拍子揃った台詞回しで、恐らくどのジャンルのお芝居に出ても結果を残せる人です。
クレバーなのに、心情面はとても丁寧で正直なので、なにせ心に響くし、綺麗な台詞も嫌味なく成立させている。
幸子とのシーンは基本的に僕はずっと泣いています。
日によって流れも変わるのですが、彼女は到達点を絶対に外さないので、皆さんも観たら納得すると思いますし、何度観ても新鮮です!
すげぇ俳優ですわ。
ありがとう!

【岩永徹也】
今まで会った人の中でもトップレベルに変わってる人。
めちゃくちゃ優しいし、品もあるし、頭も良い、面白いし、可愛いし、素直だし、良い人だし、褒める言葉はいくらでも出てくるけど、そんな事よりも、なんかとても変わってるところが魅力です。
なんか、人を超越してる感じ。
どんな役が多いの?と聞いたら「神様の役が多いですね」と言っていて、普通に納得してしまった。
その現実離れした魅力が物凄い武器だと思います。
立ってるだけで雰囲気がある、喋ったらとても独特な雰囲気がある。1粒で2度美味しい男。
日替わりで話すシーンがあるのですが、毎回「なんでそんな事知ってるの?」って思うほど知識の幅が広くて、しかも面白い。ほんわかしてるのかと思ったらとても情熱的なお芝居をぶちかましてきたり。
なに食ったらあんな個性的な魅力を持った人間になれるのだろう。いやぁ、面白い人だ。
ありがとう!

【鎌田英怜奈】
気分屋の天才。
まだ16歳です。観た人からしたら信じられないと思います。16歳にしては芝居が仕上がり過ぎていると思ったら芸歴16年です。物心ついた時には演技していたと言うことです。
人が、歩く、話すをいつの間にか身につけたように、彼女は演じる事が呼吸と同じくらい普通の事。

末恐ろしすぎる16歳。

今回のサチコ役は、大人がやっても難しいような、複雑な役で、心情も理解しづらい役です。
劇中に二度、物凄い長ゼリフがあって、どちらも激しい心情を吐露するセリフです。高難度。

でもなんか、稽古の最初から当たり前みたいに凄まじいテンションで演じて、非凡な才能を見せつけ、そのシーンが終わった瞬間にはヘラヘラしてた。
温度差が凄くて、『さっきのは夢だったのか?』と自分を疑いたくなりました。
まあ、間違いなくこれからも活躍する人なので、テレビや舞台で見かけたら是非注目してあげて下さい。ありがとう!


【木崎ゆりあ】
この人がいて良かった。
今回の舞台は、繊細な心の動きや、若い衝動や輝きがフォーカスされやすい演劇なので、"俳優のすごさ"を見せるというより、"俳優の良さ"を見せるシーンが多いのです。
そんな中、この人は単独で俳優という生き物の凄さを伝えています。
とんでもない技術が必要なシーンを、なんと自然に繊細に演じている事か。
僕は彼女に、針の穴を通すような注文ばかりしているのですが、1回言ったら即正解を叩き出すし、その後も絶対に外さない。
お芝居には絶対に"技術"が不可欠だと思っているので、これだけの技量を持っている根性の座った俳優が座組に居てくれることがありがとうすぎます。
ありがたやありがたや神様仏様ゆりあ様です。
これからもどんどん凄い女優になっていく事、間違いなしです。
ありがとう!


【飛鳥凛】
あす卒のバックネット的存在。
抱えてる事があるのに、それを人前でほとんど出さない、いわゆる"隠すお芝居"がべらぼうに上手い。大人の芝居が上手すぎて怖い。
本人はとても柔らかくて、どちらかと言ったら可愛い感じの性格の人なのですが、お芝居してる時は、超大人、辛い時に近くにいてほしい人ランキング1位な人に変貌する。
結果、匠とのシーンとのギャップがすごい。
こんな女性になりたいと思われる役ナンバーワンになってると思います。
プロ意識も高いので、何か注文すると必ず仕上げてくる。
僕が絆創膏のシーンと呼んでいる場所があるのですが、稽古場で全く表情を変えず凄まじい演技をしていた瞬間があって、あれはしばらく忘れられないほど素晴らしいものでした。チェックリスト(通し稽古を見て役者に変えてほしいポイントをメモするもの)に、思わず『飛鳥凛最高!』と書いたほどです。
きっと本番も何度もぶちかましてくれるぜ!
ありがとう!


【栗原大河】
この人がいて良かったパート2
シンプルに友達。
キャスト発表みて「やった!大河いるじゃん!」って声出た。
この作品全体に対するバランサーをやって貰っています。空気を読んでお芝居の質やテンポ感を調整してもらっています。
皆が元気が無いときは元気に、皆が元気出すぎたら抑えて、全体のテンポ遅い時はスピーディに、とか無茶な要求をしています。
本来はそんな事、俳優に頼んじゃいけないんですが、今回のお芝居は、間や展開の速度が日によって変わるので、どうしてもそういう役割が必要になります。
全員が重いとどうしても作品全体が沈みがちなので、この作品には彼の浮力が絶対必要だと思っております。
最後の一人で話すシーン、良いですよねぇ、あんなに動かない上に長いセリフ、普通聞いてられないぜ?あそこでお客さんのすすり泣きが爆増してました、本当に良い仕事をしてくれているなぁと関心しています。もちろん僕も泣いてます。
ありがとう!


【本郷柚巴】
『明日の卒業生たち』は去年朗読劇が上演されました。その時、谷口くんから今回の演出の話を貰ったのですが、そこで最初に言った事が「本郷さんを和田あきこ役にすべき」でした。
朗読あす卒にも素晴らしい役者はたくさん出演していたのですが、一番に必要な素材だと思うほど、彼女は和田役にハマってました。
底抜けの優しさや大らかさ、心の繊細さが必要な役で、彼女は全てを兼ね備えていると思っていましたが、いざ稽古に入ると、予想の100倍兼ね備えてました。
稽古場では時折、奇跡的な瞬間が生まれます。
全員が圧倒され、物音一つ立てずにそのシーンを見守る瞬間です。
なんと、これだけのメンツが揃った稽古場で、最初に奇跡の瞬間を作ったのが彼女でした。
彼女の芝居を見て、更に気合いが入った役者がたくさんいると思います。
僕ですか?もちろん号泣しながら天を仰ぎました。
ありがとう!


【田中音江】
あす卒2023、朗読あす卒、あす卒2026、唯一の三連続出演俳優。
田中音江が出ると聞いたら、それだけで安心するレベルで良い俳優だと思っています。
明るいし、ひたむき。ずっと笑ってる。華もある、声も良い、芝居に対する向き合い方も良い。この人が出てくるとなんかシーンが見やすい、そんな人です。
台本で読むイメージの石原里実という役は、暗めで、コミュニケーションが上手く取れず、一人になってしまう印象の役です。
しかし、今回は田中音江全開でやって貰っています。理由は、音ちゃんが出るのに明るくないなんて、肉の無いハンバーグじゃねぇか、という僕の偏見です。せっかくのダブルキャストですから、正統派はcocoちゃんに任せて、ガンガンかき乱そうぜ、という考えです。
結果音ちゃんは、本郷さんとのシーンもガンガンぶち込んで、ガンガン楽しんでくれている。やっぱりお芝居というものは、楽く演じている人ほど魅力的に見えるものですから、彼女は本当に生き生きしていて、観ていて気持ちが良い。
"役者は苦しんだ方がいい"なんて言う演出家もいますが、僕は今回の作品は楽しむことこそ正義だと思っていますので、彼女はその体現者だと思います。ありがとう!


【梨子】
恐らく今回の座組で唯一、本人が持つ性格と真逆の役をやって貰ってます。普段は大らかで、主張しないタイプですが、今回のましろ役は明るさの怪物です。
物語が進んで行くと、他のキャラクターたちがどんどん心情的になっていく脚本構成なのですが、彼女の役は最後まで作品の明るさを担保する役割です。
その為には『この子が出てくるとなんか面白い事が起きるぞ』と期待され続けなければなりません。

ベテランでも悩むような役、しかも本人の特性と真逆で演じるのは至難の業です。
恐らく本人も面食らったと思います。
稽古序盤こそ、その明るいテンションに持っていくのに苦労していましたが・・

なんか、ある瞬間から怪物になった。

通し稽古をするごとに、周りの俳優たちの彼女への期待が高まっていきました。

芝居はフェイントだと、伝説の怪優である大久保鷹さんに教えられましたが、2秒後に何をするかわからない雰囲気があります。これはまさにフェイントです。何するか分からないから、気になるし、見入ってしまう。将来が楽しみな俳優です。
ありがとう!


【coco】
初舞台です。
ですが、キャラクターの素養がぴったり。
華奢で、真面目そうに見えて、何処か陰の属性が見える、王道の石原里実だと思います。
もちろん初舞台だからと言ってクオリティを下げる訳にはいかないので、かなり細かく注文をつけているのですが、とても頑張ってくれている。
ホワイトスコーピオンの2人に共通するのは、たぶんとても根性があるというところです、本人に聞いたことはありませんが、とても芯と責任感がある人なんだと思います。
台詞を入れるのも凄く早かったし、初めての稽古で既に心情的なシーンを理解して表現していて驚きました。
初舞台で、この役を、これだけ実力のあるキャストたちに囲まれ演じることは、きっと彼女のこれからにとって素晴らしい経験になると思います。
是非お芝居を続けて、素敵な俳優になってほしいです!
ありがとう!


【natsu】
こちらも初舞台。
まず度胸がすごい!ましろという、初舞台の子が演じるには相当に難しい役を、なんとも飄々と演じています。声も、密度が高くてとてもお芝居に向いている声質です。遊んでいいポイントでは思いっきり遊んでいるところも、すごい。初舞台でベテラン相手に日替わりをぶち込むとか、普通ビビってできないはずなのに、余裕でカマしている。大物だ。
間違っても慌てず堂々としているところなんか、見習いたいレベルです。
ゲネプロで緊張したと言ってましたが、全然緊張が見えなかったので、その度胸を武器にガンガン活躍していってほしい俳優です。
ありがとう!


【室田瑞希】
天才室田。
人間としての魅力がルフィ。
みんなの太陽。ずっと面白い。役の魅力を本人の魅力が突き破っている。
お調子者で面白い事が大好きですが、信じられない程周りを見ているし、気遣いのプロ。
ほとんど舞台の経験が無いみたいですが、全然そう見えない。多分歌で培った表現力が頭抜けている。あと、この人が1人いたら稽古場の空気がとても良くなります。
一座組に一室田です、全てのプロデューサーにオススメしたいです。
お芝居も、経験が少ないとは全く思えないほどクオリティが高いです。
心の動きが難しいシーンも、なんか当たり前みたいに素晴らしい演技をしていて、本当は舞台1000本くらい踏んでるんじゃないかと疑っています。
歌は、もう本当、表現者としてプロすぎて、すげえしか出てこない。
ありがとう!


【倉持聖菜】
この人がいて良かったパート3
倉持聖菜と書いて"なんでもできる"と読む。
鷹村守のような存在です。
知らない方に彼女がどんな俳優か説明すると、膨大なセリフ量(固有名詞などが大量に含まれるとても難解な説明)の20分を超える二人芝居を、たった2回の稽古で本番、しかもノーミスパーフェクトでやり切れてしまう人です、なんならついでに笑いも取ります。
異次元の胆力。
今回の役はそれ程セリフの多い役では無いですが、お客さんに鮮烈に印象を残すと思います。
常に、室田瑞希という逸材を活かす為の立ち回りを
お願いしていて、それを完璧にやり遂げてくれています。
彼女もとにかく頭が良くて責任感が強いので、自分の魅力もぶち込みつつ、チームの事を考えてくれていて、とても助けられています。
マジで総合力の高い俳優です。
ありがとう!


【大見洋太】
可愛げの塊。
普通はイケメンは同性から見たらちょっと嫌な感じがするもんなんです。
間違いなくイケメンなのに、大見くんは嫌な感じが一切ない。親しみやすさすらある。
滑ろうが何しようが絶対に嫌われない。
これは彼の持つ魅力の一つだと思います。
本人曰く、そんなに明るい人間じゃないらしいのですが、RPGのお祭り野郎として徹頭徹尾ご陽気な存在として立ち回ってくれています。
そんな奴が、あんなこと言ってあんな事するから、かっこいい!とてもかっこいい!大見洋太かっこいい!あんなチームメイトがいたら、人生が楽しくなる。
RPGは、天才室田の心をどれだけ動かすかにかかってますが、その為に大見くんという俳優は素晴らしい仕事をしてくれています。最後の長ゼリフの、とある瞬間に僕はいつも涙腺が崩壊している。真っ直ぐに他人に影響を与えられる俳優ってとても素晴らしいと思います。僕は大見くんが好きです。
ありがとう!


【土屋翔】
みんな大好きつっちー。
とても面白い俳優。
ネタの角度がエグすぎて、僕は本当に大好き。
ボキャブラリーや発想がイカれてる。
面白すぎて稽古動画を何度も見返したし、つっちーを知らない人にまで見せた程です。
しかし、つっちーの良さはそこだけじゃなくて、シンプルに芝居がめちゃくちゃ上手い。
基礎能力がとても高いので、あらゆる局面で作品に安定感をもたらしている。
一瞬しかないですが、シリアスなシーンもすごく上手くて、しかも人間味を感じさせる演じ方をしている。いぶし銀。職人。面白人。
いやぁ、とても良い俳優です!
唯一、兼役で別の役をお願いしているのですが、そこのクオリティも高い、いやぁ本当にありがたい。
ありがとう!


【藤井ノエル】
今回の舞台の生演奏を担当してくれています。
舞台に誰よりも長く存在しています。
ギターの弾き方、歌い方、速度、ボリュームを役者の演技に合わせてリアルタイムで調整しながら弾き語る化け物です。
彼女は天才ですよと世界に紹介して良い程、素晴らしい曲と歌声。
話して見るととても気さくで人懐っこいです。
ギャップ!!!
藤井ノエルで検索してください!アマゾンミュージックとかにあるので、是非ノエルちゃんの歌を聞いて下さい。
舞台を観てたら、たぶん芝居に馴染み過ぎてて生演奏してる事を忘れてる可能性があるので、是非とも一度しっかり聞いてみて下さい!すごいです!
僕は出会った瞬間から彼女のファンです。
今回も素晴らしい仕事をしてくれています。
ありがとう!

現世とあの世の中間地点

バス停のような場所

人の良さそうな青年と、お爺さんが話している

お爺さん「へぇ・・人探しかぁ、、」

青年「はい、彼女も亡くなったって聞きまして・・もしかしたらこっちに来てるんじゃないかって」

お爺さん「うん、いいねぇ、若いってのは。ここにいたら、もしかしたら通ることもあるかもね」

青年「おじいさんは、どうしてここに?さっきからバス、何度も見送ってますよね?」

お爺さん「僕も・・君と同じだから」

青年「じゃあ、ずっとここに?」

お爺さん「うん、もしかしたらね、女房が通るかもしれないから。僕はさ、ろくでもない生き方したからさ、たぶん女房とは別の所に行くと思うんだよね、せめて最後にね、謝りたいなぁって。君も僕と同じ口かい?」

青年「はは、僕は全然、生き方も普通ですし、どちらかと言えば優しいほうだったんじゃないかな・・自分で言うのもアレなんですけど」

お爺さん「彼女?」

青年「いえ、そんなんじゃないですよ、友達です。仲良くしてたんですけど、誤解があったみたいで、誤解を解きたいなぁって・・」

お爺さん「喧嘩か、それは心残りだよねぇ、まあゆっくり待とう」

青年「そうですね」

青年、口笛を吹く
メリーさんの羊である

背の低い女とスキンヘッドの男の2人組が歩いてくる

女「だから、ついてくんなって言ってんの、わかんないハゲだなぁ」

ツレの男「なんでですのん!最後なんやから少しくらいいいじゃないですか」

お爺さん「おや、タチの悪そうなのが来たよ、静かにしていようね」

青年「・・そうですね」

女、バス停のベンチにドカッと座り
青年を見る

女「あ・・こいつじゃん」

青年「え?」

女、青年の顔を10センチくらいの至近距離で見つめ

女「なぁ・・あんた、クズだろ?」

青年「は?何ですか急に」

ツレの男「ちょいちょい!いきなり喧嘩売らんで下さいよ」

女「目がね、死んだ魚?ドブ?とにかく薄汚くって吐き気がするよ、どうやって生きたらそんなつまんない目になるの?」

青年「あなた・・失礼じゃないですか?」

女「ははは、クズに礼儀とか持ち合わせてないから、笑えるー」

ツレの男「あかんあかん!!行動がチンピラすぎますて」

女「だってこいつの目気に入らないんだもん!確実になんかやってるよこいつ」

ツレの男「いや勘ですやん、すいません。この人、思い込み激しいんすわ」

青年「そうみたいですね」

女「は?思い込みとか、あんたにだけは言われたくないんだけど」

ツレの男「ああもう、散々謝ったやん、死ぬ程反省してますって」

女「死ねハゲ!100万回土下座しろ!」

ツレの男、土下座し始める

ツレの男「いち、に、さん・・」

女、土下座しているツレの男の背中に座り、青年を正面から見据え

女「おい小僧、私に文句あるだろ?クズ、クーズ!ムカついてるんだろ?ほら、やっちゃいなよ、どうせ死んでるんだから、怪我なんかしないって、怖くないから、ほら、かかってきなよ?マザコン野郎」

青年「・・バカが!!」

青年、目を血走らせ、突然女に襲いかかる

女、青年の顔面に強烈な頭突きをする。

青年「ぎゃっ!!」

女、見ていられない程の激しい暴行を青年に加える

青年「うう、痛い、痛いよぉ、、」

ツレの男、素早く男の後ろに回り込み、腕を捻り上げる

ツレの男「深夜2時16分、、あ、しもた、時計壊れてるやん、えーと、とにかく、ストーカー禁止法及び婦女暴行、脅迫、ついでに今の暴行未遂で逮捕やで」

青年「・・、お前ら、なんなんだよ!!」

女、青年の顔面に思いっきり膝蹴りを入れ、青年は気絶する

女「マル暴だよ・・文句あっか?」

ツレの男「いやいや、もうちゃいますよ、何言ってますの?」

女「いやいや、私二階級特進してるから、警部補だよ?コロンボとか古畑とタメだから!」

お爺さん、怯えながら

お爺さん「ええと、あなたたちは・・」

女「ごめんねぇ、じいちゃん、ビックリしたよね、ちょっと相談受けてさ、こいつに酷いことされたらしくて、どうしても会いたくないって子がいて、まあ潜入捜査的な?」

お爺さん「ああ・・」

ツレの男「捜査権なんかないけど。ていうか、コイツどうしたらええの?捕まえたはええけど」

女「知らん、適当に歩けば刑務所みたいなの見つかるんじゃない?」

ツレの男「ていうか、さっきのアレ、ホンマに演技ですか?めちゃくちゃ言うてませんでした?」

女「いやいや、バリバリ本音。ついてくんな、反省しろハゲ」

ツレの男「だから反省してますて」

女「許すわけないでしょ。ほら、凡ちゃんいくよー」

女、スタスタと歩き出す

凡ちゃんと呼ばれた男「ちょっと、待って下さいよー、こいつ、意外と重いやん・・」

2人は歩いていく

お爺さん「はは・・・面白いもんが見れたなぁ・・あいつが通ったら、聞かせてやりたいなぁ」

老人はバス停に座ったまま、空を見上げる


↓↓↓


警視庁・捜査一課
外は曇り空である

始末書を書いている大門と四葉
四葉、ふと書くのをやめて

四葉「大門さん」

大門「んー?」

四葉「もし花村さんが生きてたら、星見ヶ丘の都市開発計画って、どうなってたと思います?」

大門「え?・・うーん、花ちゃんの事だから少なくとも関連した議員は全員逮捕、公安にも乗り込むくらいはしただろうな」

四葉「開発計画、中止されてましたかね?」

大門「・・可能性はあるな」

四葉「・・もし開発計画が頓挫してたら、星見ヶ丘高校の閉校も無かったですよね?」

大門「ん?・・あぁ、かもな」

四葉「そうなると旧校舎の取り壊しはもっと先になってましたよね、少なくともあと何年か」

大門「うん・・どうしたんだ急に?」

四葉「いや、あの日、もし旧校舎に柵があったら・・・」

大門「あー・・・楡井さんは転落しなかった・・・か」

四葉「先輩、救急に連絡してたじゃないですか、救急車って都内なら10分とかそこらで現着できますよね?」

大門「・・・もしかしたら助かってたかもって?」

四葉「可能性ありましたよね、もしもあの時」

大門「なぁ、お前ドラえもん観てた?」

四葉「・・は?ドラえもん?え?」

大門「あ、そういや、お前ら大山のぶ代じゃない世代じゃん!しずかちゃんのお風呂シーンとかも無い世代?」

四葉「何言ってるんですか急に?意味不明なんですけど」

大門「俺たちの世界に、もしもボックスは無いってこと」

四葉「え?」

大門「もしもあの時こうだったら、あーだったらって考えるのはいいけどさ、それって実現しないんだよ・・・寂しいけどな」

四葉「・・・」

大門「それに、もし花ちゃんが生きてたら、四葉大変だぞぉ?絶対パシリにされてたと思う、花ちゃん、足速いやつ大好きだし。あいつに気に入られたら終わりだぞ?昼夜問わずそこら中連れ回されて、ぶっ壊した物とか人とか人間関係の後始末させられるんだから」

四葉「・・それはまぁ、嫌ですね」

大門「まぁ色々しんどいことあるけどさ、受け流して上手いことやっていけよ、相談乗ってやるから」

四葉「大門さん・・・なんか今めちゃくちゃ先輩ヅラしてません?」

大門「は!?いや、してねぇよ!いや、してもいいだろ!直属の上司だし、ていうか人生の先輩だし!!」

四葉「はいはい先輩先輩」

大門「あ!2回言った!全然思ってない時にしか言わないやつ!しかも2セット言った!」

四葉「なんすか2セットって。言っときますけど、私大門さんに巻き込まれたんですからね!なんで私まで始末書書かなきゃいけないんですか!」

大門「うん、それはマジでごめん、ありがとう!一枚俺が書こうか?」

四葉「いや、そんな薄汚い字、私が書いたと思われたくないです自分で書きます」

大門「・・・じゃあ俺、お茶でも入れようかなぁ」

四葉「いただきます」

大門「はーい」

大門、お茶を入れにいく

四葉、始末書を丁寧に書き始める

空はいつの間にか晴れている