窓の外 景色を這ってく粉雪
椅子の軋み音が 重たい瞼を擦れば
霞んだ景色も ふわぁっと澄んでゆく
今夜もチケットを神様に貰ったよ
ドアを開ければ ほら 響いてくる
覚束無い音を奏でるオーケストラ
凍えた掌が音色で充たされてゆく
君にとっては 当たり前の事なんだろうけど
うんと、あたたかいんだ
ただ泣くことでしか訴えられない君が
ほんのちょっとでも微笑めば
生きてることに感謝したくなる、
大袈裟かなぁ
君が奏でる音に どうしようもなく
救われていたんだって 遺しておきたいんだ
素敵な一枚を収めた胸のファインダー
君と君のママ 寝顔のツーショット
なんてことないはずの風景なんだろうけど
どうしようもなく 嬉しいんだ
雲間から星がこぼれて 五線譜を彩ってゆく
覚束無い音を奏でるオーケストラ
時に煩わしく思ってしまう音も
なんてことない 君の生きてる証
どうにも 愛おしくてしょうがない
written by SA7