王はすべての婦人にまさってエステルを愛したので、彼女はすべての処女にまさって王の前に恵みといつくしみとを得た。王はついに王妃の冠を彼女の頭にいただかせ、ワシテに代って王妃とした。
「このような時のために」(英文)1997年10月、メアリー・エレン・スムート、中央扶助協会会長
『旧約聖書』の中に、アハシュエロス王に仕えたエステルとモルデカイについての物語が書かれています。モルデカイは、両親を亡くしたエステルを自分の娘として引き取りました。彼はエステルを宮殿に連れて行きました。エステルは王に気に入られ、その妃となりました(エステル2:17参照)。
王の宮廷にハマンという指導者がいて、彼は自分に敬礼をしようとしないモルデカイに腹を立てるようになりました。そして彼は、モルデカイとすべてのユダヤ人を滅ぼす策略を立てました。
自分の民に迫ってきた死の危険を知ったモルデカイは、王に助けを求めるようにエステルに頼みました。「あなたがもし、このような時に黙っているならば、ほかの所から、助けと救いがユダヤ人のために起こるでしょう。しかし、あなたとあなたの父の家とは滅びるでしょう。あなたがこの国に迎えられたのは、このような時のためでなかったとだれが知りましょう。」(エステル4:14)
エステルの進退窮まる状況について深く考えてみてください。王からの召しがないのに、その前に出るのは法に反することでした。そのようなことをすれば、死刑に処せられました。エステルは何もせずに静かにしていれば、ぜいたくで安楽な生活を続けられたかもしれません。彼女は王妃としての生活を続けるか、自分の命を賭して家族と同胞を救うかの選択を迫られたのです。彼女は自分にどのような犠牲が求められるのかを考え、同胞と自分自身の切なる望みに従う道を選びました。
エステルはモルデカイに、スサのすべてのユダヤ人を集めて自分のために3日間断食させるように求め、自分も侍女たちと一緒に断食をしました。そして彼女はこう言ったのです。「わたしは法律にそむくことですが王のもとへ行きます。わたしがもし死なねばならないのなら、死にます。」(エステル4:16)
エステルは霊的な備えをしたうえで、王に近づきました。エステルのその行動は王に受け入れられ、彼女は自分が準備した宴に王とハマンを招きました。その宴の最中にハマンの策略が暴かれ、モルデカイは大きな誉れを得ました。このような時のために生まれていたエステルは、同胞を救いました。
わたしはこれまでに、フィンランド、アイダホ、ブラジル、ワシントンD.C.、ロシアなどを旅してきましたが、どこへ行ってもイエス・キリストの福音がその機能を果たし、勇敢で忠実な姉妹たちの顔に福音の光が輝いているのを目にしてきました。わたしはこれまで、自分たちは「このような時のため」(エステル4:14)に生まれてきたのだという証を受けてきました。
