「わからない」という発言の意味は2種類ある? | 「育児書にない!」~ASD母子の育児&お勉強&歴史の授業~

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ASD(自閉症スペクトラム)当事者で、娘もASDである、元社会科塾講師のセザール=れくす、が描く、「ASDのお子さん向けの受験勉強についてのブログです。
育児についての話や不登校の娘への対応の話、自分自身の生き方についても語ります。

みなさま、本日もありがとうございます。


本日は、不登校の娘に勉強を教えていて

気がついたことを書きたいと思います。




わからない


という言葉が

相手から出たとき


それについて、

受け手の方は

どう思うんだろう?

ということ。



私のエピソード


私は小学生のとき

先生に「わからない」と言うと


世間的に優しいと言われている先生は

やり方」を教えてくれました。


小5、6の担任は、私をバカよばわりして

迫害しました。



また、大人になってからも

PTAの業務で

まだ慣れてない初めての業務について


ある人に

「わからないので教えていただけませんか?」という相談をしたら


「紙に書いてあることを、発表の場で

そのまま言えば大丈夫だから」と

言われてました。



小5▪6の担任の悪意に満ちた対応に

関しては、それについて話すと

多くの人はその担任がおかしい、とは

言ってくれますが



それは迫害をするという対応がおかしい、

であって

「わからない」という内容の対応そのものが

おかしいと言っているわけではないな

と感じます。



やり方を教えてくれた先生も

その場が困らないように対応してくれた

PTAの人に対しても


善意で言ってくれているのはわかるし

感謝すべきなのは頭ではわかっているし

きちんと表面上ではお礼を言って

絶対に不満な顔も見せませんが


実は、最近まで私は

「わからない、と相談しても

やり方だけを伝える人は意地悪だ」

と思ってしまうときがありました。

(今は違います。)


もちろん、相手は言わないけれど…。


それは私の被害妄想だろう

とは頭ではわかっているけれど


どうしても


「なんで相手は


いつもいつも


私の質問に

答えてくれないの?」

という不安感疎外感?は

どうしても出てきてしまってました。ガーンガーン


相手のことを悪く思う自分が

とてもワガママでダメな人のように

感じてしまう日常。


2:何が「わからない」のか?


現在、私は小学校不登校になった娘に

算数の授業をしてします。



娘は、ことあるごとにひっかかり

本人が欲しい解答(回答)が出るまで


ずっと癇癪おこし続けます。



でも娘はただ大泣きしているわけでなく


泣いて怒りながら自分の考えを述べます。



娘が言ってた例としては


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円周率が約3.14であるのはわかる。

でも、なんで、約3.14で計算しなきゃいけないかわからん!


あと


なんで、円周率を勉強するのか

わからん!

と言って、円周の長さを求める計算問題を

解こうとしても、

解き方はわかっていても

納得できなくて怒り狂って

泣き叫んだり…アセアセアセアセアセアセ



算数だけでなく理科でも


電流の、プラス極とマイナス極を

入れ換えると、磁力の向きが変わるというのを

初めて習ったときも


サムネイル
 

なぜ電流を流すと

こちら側がN極になるかわからん!

と言い出し、その理由が解決できるまで

先に進めなくなったり。


この内容は

「電流の向きによって磁力の向きも変わるよ!」という事実だけを習うもので

問題を解くにも、そのことだけわかれば

解けるものでした。



しかし、娘が求める解答を教えるには

電流や磁力とはそもそも何か?を知り

電流と磁力の関係性を深く考え、

右ネジの法則などの中学の内容を教える必要

がありました。






また、他にも


サムネイル
 

なぜ都道府県が存在しているか

わからん!


などなど、覚える内容に対して、

その覚える意義がわからないと

永遠にその疑問で頭がいっぱいになり

覚えられません。





つまり、娘にとっての「わからない」は


「やり方」についての「わからない」

ではなく



  1. その知識や公式の存在意義
  2. なぜそのような事実、状態になるのか?
  3. その知識が存在する背景、歴史(軌跡)


についての「わからない」だったのです。


そして私も同じだったんだ!と。




ただ、私の場合は

それでもなんというか


小5、6でいじめられ、バカにされつづけ、

さらに、いじめの後遺症で一度0点をとって

しまったのがトラウマであったのと、

自己顕示欲が強かったので


「わからなく」ても、

その場しのぎで

点数をとる、

というのを中学からはするようになり


やっと、自分なりに考えることで

解決できるようになったのは


高3の夏休みからでした。


3:私にとっての転機


高三の夏期講習の予備校(塾)でたまたま受けた、世界史の先生が



「地図を見て考えたら歴史はわかる」

ということ、


「考えること」の大切さ、



「知識」と「知識」を結びつける行間は

自分自身で見つければいいんだよ、



ということを教えてくれたことから


私の勉強への取り組みは変わりました。



それまでは、

わからない」→「点数をとれない」だと


先生には


解き方を教えられるか

何度も問題演習をするように

と言われてばかりでしたが



その世界史の先生は、

わからない」→「点数をとれない」なら



自分のわからないことに

向き合うこと」を

も目的として、


その解決方法は


己の思考力


としてくれたんですよね。ニコニコ



妄想ではないけれど、

答えはどこにも書いてないので

予測するだけだし

自分の中で自己完結の答え。


でも、他人が自分の欲しい答えを

くれなくて癇癪おこして

先に進めないより、


自分なりに自分の欲しい答えを

「仮定」として出して

癇癪おこさず先に進み、


全体把握してから


また戻って気になるところは

学術的に正しいか?の

検証をすればいいじゃないか!と。



その先生がいなければ

私はこんなに歴史好きにもならなかったし

塾講師の職業を私は選ばなかったでしょう。





話を元に戻します。



4:娘への対応



娘が「わからない」と言って癇癪をおこし

それ以上先に進まない状態を見て



多くの人は、おそらく




覚えたくないから(勉強したくないから)、

または、

自分がバカなことを周りに知られたくない(自分が認めたくない)から


ナンクセつけているだけ。

サムネイル


…とか



泣けばすむと思ってる。



円周率の問題とか

何度も解けばいいだけのこと。

都道府県が覚えられないから

ゲームなり音楽なり使って覚えたり

何度も問題演習して覚えりゃいいのに、


「なんでそんなことするの?」と

口答えばかりして、人生なめてる!

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…と思われるかも?と。えーん


(私の経験上。娘の場合は、幼稚園の先生からの蔑みでこりたので、小学校では

まじめでおとなくしく、

ほぼ静かで穏やかな子と

見られてたので。)




そのように思われるのは


その子が言う「わからない」は


「解き方がわからない」

「楽に覚える方法がほしいから、

わからないと言っている」

という考え方かな?と。







でも、


「わからない」は

意味は2通りあって


おそらく、やり方を教えることしか

しない先生たちやPTAで出会ったあの人は

「私の、わからない」と思う感情を

今まであまり体験したことが

ないのかもしれない、と。



(ちなみに、やり方を教えてくれた先生や、紙を渡したPTAの人にも、その場は笑顔で感謝を伝えましたし、誰にもその先生やPTAの人の悪口不満も言ってません。

ただ心の中で、


私は「わからないことがあれば聞いてね」、

と言われたから聞いたのに、

とんちんかんな返答をされてばかりで

困っているのに誰も助けてくれない、

と思ってた、という意味です。)






その意義存在理由さえ「わかれば


どうしていくか?の具体的方法

考えることはできるし



多少理不尽だな、とか、

めんどくさい、やりたくないな、


と思っても、きちんとやりとげます。




中学以降では、

主に塾で…ですが

授業がすごくわかりやすい先生に

出会えました。


その先生に共通してたのは



しれっと

「この単元を学ぶうえで前提とする条件」

とか

「以前習った知識は実は後々の内容に

繋がっていくという伏線回収が、

みごとな授業構成」

をしてくれた先生だったりします。



つまり、それって、

私や娘の「わからない」を解消してくれる

内容なんですよね。



「将来のため」のいう、

ほんわかした理由でなく


すっごく具体的な理由で

説明してくれるから。





今回、何が言いたいか?というと



「わからない」という言葉には

2種類あって


相手がどちらの意味で言ってるか?を

把握してから、のアドバイスでないと

相手は困ってしまうのだな、

と経験上思ったので


娘に授業をするときや


今後の人間関係で


色々と気を付けたいなぁと

思って、自分の考え方の備忘録として

書かせて頂きました♪