職人と靴 | Centotrenta 代表 加藤いさおのBLOG                        

前回の続きとなりますが

VASS SHOESの工房を訪れて

先ず、感じたことが

(少数精鋭)

各パーツ毎に

担当の一人の職人が居て

一心不乱に釘を打ったり

革をカットしたり

皆さんそれぞれの「手」仕事を

黙々とこなしているわけなのですよ

 

エヴァが言う

「後継する職人不足で

さっき言ってた事がわかるでしょ?

私たちは数を作りたいのじゃない

一つ一つ丁寧に創られた靴を

一人一人に感動してもらいたいの」

そう言いながら

彼女は

にこりと笑った

 

「嗚呼、そういう事だったんだ」

僕は感心した

 

「足数が増えると

職人の仕事が増えて

クオリティが下がるのだけは

どうしても防ぎたいの

だから私たちは現状の仕事で満足しているの

でも、貴方が言っていることも理解できる

だから工房にも招き入れたのよ

本当は断っているけど

好きに写真を撮って良いから

日本のお客さんに

こういう靴なんだよと伝導して欲しい」

 

「わかった、ありがとう」

交渉が好きな私も

彼女の懐に入る余地が無かった・・・・・

いや、入る気が無くなった

深く共感したのだ。

 

 

「写真を撮るのかい?

格好良く撮ってくれよ」

屈強な職人たちが

笑顔で迎えてくれる

 













「貴方のインスタグラムを見ているけど

私は、貴方のスタイルがとても好き

スーツにだけ縛られるのじゃなく

色々な格好をしているよね?

私たちの靴はそういう風に合わせて貰えたら

嬉しいわ」

 

感無量である


何故ハンガリーの靴が

無骨で繊細なのか?

視覚と聴覚で

直接感じ取る事ができて

本当に良かった。

そして導き出された答えは

良いモノとは?

大量生産ではなく

妥協を許さない

職人集団が

一心不乱に造って

創ってくれているからなのだなと

そう感じた。