最近、免疫機能の強化が大切という声をよく聞く。
「納豆が免疫力のアップに役立つ」という見解がある。
確かに役立つが、納豆アレルギーの人もいる。
納豆は免疫力の強化に役立つが、ビタミンKが多いので、食べ過ぎは禁物である。
納豆だけの食事なら3~4パックまでは大丈夫だが、他にビタミンKを含んだ食品も一緒に食べるときは1パックで十分。
大豆イソフラボンは健康に良いが、過剰摂取すると乳がん・卵巣がん・子宮筋腫のリスクが生じる。
その意味で大豆ミートなどの代替肉、豆乳、呉汁の食べ過ぎも良くない。
腸内環境の改善に効果がある食品は軒並み免疫強化にも役立つ。
免疫力が強くなれば、細菌やウイルスの感染防止の効果が現れる。
ただし過信は禁物である。
この世に万能な食品はない。
血液循環をスムーズにすることも免疫力の強化に役立つ。
適度な運動やお風呂は血液の流れを良くする。
ただし厳寒期の入浴は、思わぬ事故を招くケースもある。高齢者は特に注意。
イチョウ葉は血液循環を良くし、認知症の予防にもなるが、基本的に医薬品レベルの物じゃない限り、安心できない。
いや、イチョウ葉の医薬品にもリスクはある。
他の医薬品との併用することで更に危険性が増してしまう。
解熱鎮痛薬のイブプロフェンやアスピリンを服用中の人はイチョウ葉エキスと併用しないこと。死亡例も報告されている。
糖尿病の治療薬もイチョウ葉の併用は厳禁だ。血糖降下作用が強くなり過ぎる可能性がある。
血液をサラサラにする血液凝固抑制剤(抗凝固薬や抗血小板薬)を使ってる人も要注意。
薬の作用が強くなり過ぎて、出血傾向になりやすい。
抗てんかん薬との併用では、てんかんのコントロールが不良となる可能性がある。
てんかん閾値を下げる抗精神病薬、抗うつ剤も効果が低下し、てんかんを誘発する可能性がある。
以上の理由で医薬品とイチョウ葉エキスの併用は禁物である。
ましてサプリメントのイチョウ葉エキスは、品質面でも不安がある。
国民生活センターによれば、ドイツの規制値の80000倍ものイチョウ葉エキスが含まれた商品もあったという。
脳梗塞や心筋梗塞を予防するワーファリンを服用している人は納豆・青汁・クロレラも禁物である。
量は関係ない。
少なくても問題が生じやすい。特に納豆にはビタミンKと納豆菌が含まれるため、ワーファリンとの併用は厳禁である。
ニンニクは健康効果が高いが、食べ過ぎれば泌尿器系に問題が生じやすくなる。
また、ワーファリンと併用することで出血する可能性もある。
ただし、食べ過ぎなければ問題ない。
「サプリメントは本当に役立つのか?」という記事でも説明したが、どんな栄養素も過剰摂取は禁物である。
例えばカルシウム。
必須ミネラルの一つだが、摂りすぎると高カルシウム血症、前立腺がん、尿路結石など様々な健康被害が生じやすくなる。
ビタミンAはウナギ、紫蘇、卵、海苔、レバーなどに豊富に含まれている。
ビタミンDは魚介類や卵類に豊富。
だが、ビタミンAとビタミンDは脂溶性のため、過剰摂取をすれば健康を損なう恐れがある。
水溶性であるビタミンCも、大量摂取によって腎臓結石や尿路結石が生じる可能性がある。
尚、ビタミンAとプロビタミンAでは、後者の方が安全性が高い。
体内でビタミンAに変換されるものをプロビタミンAと言い、β-カロテンもその一つである。
人参やカボチャにプロビタミンAが豊富に含まれている。
ビタミン類は基本的に食事を通じて摂るのが望ましい。
食生活が乱れてる人は是非とも改善しよう。
様々な事情で食習慣を変えられない人もいるが、栄養摂取の基本はやはり食事である。
サプリメントは「食品」に分類されているが、特定の栄養素がとにかく豊富だから過剰摂取を招きやすい。
食物繊維は腸内環境の改善に役立つが、これまた摂りすぎればカルシウムの吸収効率が悪くなる。
牛乳のカルシウムの吸収効率は優れているが、体質的に合わない人もいる。
就寝する直前にホットミルクを飲むと安眠や精神安定に効果があるという。
だが、インドの古代医術・アーユルヴェーダによれば、寝る前の牛乳は消化が悪く、アーマという未消化物が体に蓄積されるという。
食い合わせも影響する。
牛乳と魚、牛乳と肉、塩味、酸味の組み合わせは相性が悪い。
つまりヨーグルトも体に良くないことになる。
酸味の無いヨーグルトもあるが、果物と組み合わせたヨーグルト製品は避けた方が良いかもしれない。
果物は基本的に食事と一緒に摂らない方が良い。
おやつ替わりに単体で食すると良い。
アーマという未消化物は、どんなに健康的な食生活をしていても多少は生まれるものだ。
特に蓄積されやすいのは舌の表面。
舌苔と呼ばれる苔状の物質である。色は白か黄色。
この舌苔が多いと口臭の原因にもなりやすい。
除去する方法としてはタングクリーナーという金属製の道具がある。
アーユルヴェーダ関係のお店で取り扱ってることが多い。
スプーンも代用品になる。
ただし何を使うにしても、力の加え過ぎは良くない。舌が傷付いてしまう。
舌の表面を軽く、優しくこするだけで良い。
歯ブラシを使うことも可能だが、アーユルヴェーダでは推奨していない。
未消化物はある種の毒素である。
歯ブラシで掃除をすると、この毒素が吸収されてしまう。
口腔に現れるのはアーマ・未消化物だけではない。
カンジダ症や白板症の可能性もある。
常在菌であるカンジダ(カビの一種)が引き起こす感染症である。
口腔カンジダ症の原因になり得るのは複数ある。免疫力の低下、ステロイドの長期使用、抗生物質の長期使用が主なものだ。
抗生物質を使うと感受性のある細菌は死滅するが、耐性菌は生き残りやすい。
つまり抗生物質の長期投与により、菌の交代現象が起こりやすくなり、感染によって発症する。
口内に白い物質が頻繁に現れる場合、歯科医院で診察を受けると良いだろう。
腸内環境と免疫力には密接な関係がある。
乳酸菌、酪酸菌、ビフィズス菌には整腸作用があり、免疫力を高める効果もある。
死んだ乳酸菌でも「発酵食品」としての効果は期待できる。
ただ個人的には乳酸菌サプリメントの対費用効果には疑問がある。
医学的・栄養学的レベルで効果が確認されているが、コストが高すぎる。
菌数が多いサプリメントは乾燥死菌を使っているので、充分な整腸効果があるのか疑問がある。
腸内に既に居付いている乳酸菌は、非常に排他的だという。
食品やサプリメントなどで新しく取り入れた乳酸菌を歓迎しないとか…。
故に、既に居付いている乳酸菌を元気にさせる食生活を心掛けている。
それ専用のサプリメントもある。乳酸菌は入っていない。
新しく乳酸菌を取り入れるのではなく、既に居付いている乳酸菌が喜ぶ成分が入っているという。
私も一時期、飲用していた。
しかし、とにかくお金がかかるので、途中で止めてしまった。
健康的な食生活を心掛ける。
なるべくストレスを減らす。
生活全体を改善することにより、免疫力が強化される。
まずはその事を心掛けていただきたい。
サプリメントを飲用する前に、まず生活習慣の改善が必要。
でも限界がある。
思うように改善できない場合はサプリメントに頼るのも良いだろう。だが、くれぐれも過剰摂取は避けてほしい。
※エンライトが2017年に執筆した原稿をアップしました。
尚、代理人チームが新しい情報も取り入れ、内容を補強しています。
今年も酷かったです。ライオンズゲート狂騒曲が…。
スピ界の住民はやっぱり病的なほどにイベント好きなのでしょう。
デタラメな詐欺商法に引っかかってしまう。
ここでライオンズゲートについて、彼らの主張を簡単にまとめてみます。
宇宙のゲートは毎年7月26日に開き、8月8日にパワーが最強になる。
毎年8月8日~8月12日は太陽が獅子座に入り、地球とオリオン座の三つ星をつなぐ位置(銀河の中心)と並ぶ位置に恒星シリウスが入る。
地球が銀河の中心と一直線になり、宇宙と地球をつなぐ宇宙の扉が開く…。
↑
つまり特別な天体配置がライオンズゲートを開くカギだと主張しているのですね?
でもそれって地球から見た天体配置に過ぎないことを知っていますか?
オリオン座の三つ星も、地球から見たときに限って横一線に並んでいるだけです。
3つの星は地球から計測しても距離がそれぞれ大きく異なります。
ですので、横一線に並んでいる三ツ星のように見えても、宇宙の「他の空間」から見たら、バラバラの場所に位置する星たちです。
「星座」という概念自体、地球から見たときの星の配置から想像したファンタジーなのです。
おとぎ話にも価値はあります。夢のあるお話です。
でも夢は夢です。
いい齢した大人がそれを「真実・現実」などと信じているのが恐ろしい…。
子供たちに顔向けできませんよ。恥ずかしい…。
結局ライオンズゲートは数年前の「宇宙元年」イベントの時と同じ発想なのです。
天動説に依拠しています。
でも宇宙科学により天動説は完全に否定されています。
ライオンズゲートとやらで盛り上がる人たちは、小学生レベルの理科の知識さえ忘れてしまったのでしょうか?
情けない大人達です…。
「宇宙の流れ」と呼ぶべきものは頻繁に変動しています。
でもそれは突発的に起こることであり、毎年決まった時期に判で押したように宇宙のゲートが開くことはありません。
地球の磁極すら頻繁に変わり続けています。
毎年決まった時期に地球の自然界の波動が変わりますが、あくまで「地球の自転」が原因です。
宇宙の動きは関係なく、地球の波動は定期的に変わるんです。
地球が自転するから季節が移り替わる。四季があるのです。
ヒントは「季節の変わり目」です。
春分などは特にエネルギーの質が変わりやすいし、人間もその影響を受けています。
日本人は昔からそれを知っていました。
なので季節ごとに特定の祭りやお祝い、特別なお食事などで賑わうわけです。
ライオンズゲートにしても8月8日に宇宙エネルギーが最大級になるとか?
もろに「立秋」じゃないですか!
定気法では8月7日頃(太陽黄経が135度の時)
恒気法では8月8日頃(冬至から5/8年)
ライオンズゲートはそれを太陽系まで広げただけの話です。
そもそも地球が銀河の中心と一直線になることが何故ゲートを開くことになるのか? ぜんぜん説明できていません。
地球とオリオン座の三つ星をつなぐ位置=銀河の中心?
何故それが銀河の中心になるのですか?
結局、根底には天動説から派生した宇宙信仰マインドがあるのでしょう。
数年前に騒がれた宇宙元年とかという茶番劇と同じです。
地球だって立派なひとつの宇宙なのに、天を見上げる感覚で宇宙のことを特別視しているのでしょう。
毎年、ライオンズゲートの時期になると「頭痛が酷くなった」「睡魔に襲われる」などの不調を訴える人が続出しますね。
彼らは浄化反応・好転反応だと思い込んでいますが、本当は違います。
邪気にやられただけです。
ライオンズゲートなどという妄想を信じ、依存したせいで、宇宙の邪霊や悪魔みたいなエネルギーに感応し、不調に陥っただけです。
ですが、ライオンズケートみたいな与太話でも、それを信じる人が多くなれば、アストラル界に強力な信念体系が作られるでしょう。
その影響で本当に毎年ライオンズゲートみたいな現象が起こるようになります。
それは人間が作り上げた信念体系であり、幻影にすぎません。
アストラル磁場の捕らわれの身になったのです。
ですので、事の本質はアセンション妄想と一緒です。
スピリチュアル界隈には、外側にストーリーを作り、それを追いかけ、依存するのが好きな人が大勢います。
だから心に隙が生じる。
その様な人達は、宇宙の魑魅魍魎にとって格好のエサです。魂のエネルギーが食われ放題です。
本当のスピリチュアルは、幻想のストーリーの罠に気付き、真に目覚めることです。
自分自身に在ることです。
ですがこの道はとても地味で退屈だし、辛いことが多いです。
なので彼らは自分自身に向き合う事から逃げ、物語を求め続けるのです。
邪欲そのもの…。
彼らは徹底的に痛い目に遭わない限り、決して目覚めないでしょう。
ライオンズゲートを「宇宙の高次元エネルギー」のように感じられても、本当は邪気に過ぎません。
ヒーラーを名乗るくせに邪気の正体に気付かず、「高波動」などと喜ぶ人達には呆れるばかりです。
彼らの数年前の主張。
2018年、2019年、2020年の3年間は宇宙のゲートが大きく開き、私たちが目覚める最大のチャンスがきていたとか。
そしてこの宇宙ゲートは2020年の春分で閉じてしまう…と説明していました。
↑
2020年の春分で閉じるはずだったのに、また復活して2020年の8月以降もライオンズゲートが開いた…などとお祭り騒ぎをやっている。
今年2023年もそんな騒ぎがあったよね。
その意味が分かってますか?
宇宙元年という詐欺と基本構造が同じなのです。
数年前のことですけど、ある占星術師が「宇宙元年」という妄説を垂れ流し、特別ジュエリーとトリプルアチューンメントという「エサ」を用意しました。金儲けのために…。
そしてそのエサに食いついた人たちがいました。
「元年」と言う以上は、その年限りのイベントとして終わりを告げるはず。
そのはずだった。
でも、味を占めたスピ商売人どもは姑息にも「元年」という概念を「元旦」に置き換えたのです。
元旦なら毎年必ず1回やってくるから、金儲けが毎年できることになります。
もう分かったでしょ?
ライオンズゲート商法が復活したのも同じカラクリです。
彼らはあれこれ理屈をつけて、宇宙ゲートが再び開いた理由を説明していますが、単なるコジツケです。
こんな詐欺に騙されるような連中が「宇宙の高次元エネルギーを受け取る」とか「次元上昇できる」とか失笑モノです。
宇宙を馬鹿にするのもいい加減にしなさい
スピ商売人に騙された連中だって加害者です。
ライオンズゲート物語に心酔し、SNSやブログで積極的に情報発信した人たちは完全に加害者です。
あなたたちの妄想話に触れて悪影響を受ける読者がいるわけですから、言い逃れはできませんよ。
同情の余地はありません。
少しでも冷静に考える努力をしていれば、スピ詐欺師の稚拙な手口に気付けた筈なんです。
一体なにが宇宙のゲートですか?
あなたたちは宇宙を愚弄したんです。
そんな人たちが宇宙ゲートから高次元エネルギーを受け取って次元上昇するとか…笑わせないでください。
あなたがたはアセンションならぬ「デセンション」しています。
来たるべき日に「淘汰」されることが確定しています。
エンライト氏は現役時代、アセンション妄想や宇宙元年詐欺を徹底糾弾していたよね。
覚えていますか?
エンライト氏が最も力を入れたのは量子力学スピリチュアル詐欺の糾弾であり、何本もの検証記事を書いています。
「観測者効果」「不確定性原理」「量子もつれ」の意味も理解できない妄想者どもが幼稚なスピメッセージを発信し、人々に危害を加え続けている…。
明日も明後日も…何年たっても、彼らは変わらないでしょうね。
付ける薬なし。
数年前は「風の時代」という与太話に踊らされた人が続出しました。
この人達は本当に学習能力がない…。
かつてエンライト氏が説いていたように、目覚めの時期は人それぞれです。
ライオンズゲートなんて関係ないんです。
そんなものに依存したら、自分にとって最適なタイミングを見失います。沈没するだけです。
関連する過去記事
宇宙元年とかいう妄想
量子スピリチュアルに騙されるな
エセ科学に依存するスピラー達
似非アセンションの罠
※今回の記事はエンライト代理人チームが執筆いたしました。
追記
ライオンズゲート・イベントを盛り立てたスピ指導者は数えきれないほど大勢いましたが、特に目につく活動をしていらっしゃったのは、田宮陽子さん、大木ゆきのさん、starseed kuさんでした。
私どもは決して否定しません。
彼らは彼らなりの信念で活動していると思いますので、それは尊重します。
でも自分の行為は必ず自分に返ります。逃げられません。
自己観察に習熟すると、24時間の観照状態に入ってゆく。
そう、24時間だから睡眠中も意識が途切れていない。
これこそが悟りと覚醒の道に必要なのだ。
「睡眠中も自己観察」
「熟睡中もその状態に気付いている」
これが出来ない限り、本物の悟りが訪れることはない。せいぜい悟りごっこで終わる。
夢見術をマスターすれば、睡眠中に見る夢を自覚することが出来る。
そのテクニックは既に高藤総一郎氏が「あなたを変える夢見術入門」という本の中で公開している。
夢を見ている時に「私は今こんな夢を見ている」と自覚できるようになるのだ。
しかしそれは「夢を見ている最中」という条件付きだ。
熟睡中の話ではない。
いずれにしろ、夢を自覚できるようになれば、その内容を自由自在にコントロール出来るようになる。
その臨場感たるや凄まじい。
夢の世界なのに現実世界と同じぐらい生々しいのだ。一体どちらが夢か現実なのか分からなくなる程だ。
そして自分の中の善性の質(サットヴァ)を高め続けると、もはや現実さえ超えたものとなる。
神秘体験と言っても良いほど、圧倒的な臨場感を伴うようになる。
しかもそれはゴールではない。
真の覚醒に至るには、神秘体験のステージを超脱する必要がある。
高藤総一郎氏は「夢の光明化」のテクニックも公開しているが、それはゴールではない。
光のステージを極めるには、闇のステージも極める必要がある。
そして最終的には光と闇を超え、絶対的虚無のステージに至るのである。
私はもともと夢見術を苦手としていた。
何年やっても進歩しなかった。
夢の光明化どころか、鮮明化さえ出来なかった。
いわゆる「明晰夢」を体得することが出来なかったのである。
これでは修行のスタートラインにも立てない。
ある時、某ヨーガ行者と出会い、弟子入りしたことで、私の修行は急速に進歩した。
タントラの様々な秘伝テクニックを伝授していただいた。
そのエピソードは下の記事でも紹介している。
「明晰夢の世界 寝ている時の自己観察」
私の自己観察を急速に進展させ、睡眠中も自己観照に至らしめたメソッドが下の3つの瞑想法である。
沈黙観照法(アンタル・マウナ)
虚空光明法(チダーカーシャ・ダーラナ)
影身観照法(チャーヤ・ウパーサナ)
今回の記事では沈黙観照法(アンタル・マウナ)について具体的に説明したいと思っている。
ただし習得するのは難しいし、危険性も高いことをお断りしておく。
読者の皆さんに「実践」を勧めることはない。
では、なぜ公開するのか?
この瞑想法のプロセスひとつひとつの説明を読めば、人間の意識の仕組みについて何らかのヒントが得られるだろう。
それこそが秘法を公開した意図に他ならない。
尚、影身観照法(チャーヤ・ウパーサナ)については下の記事で具体的に説明している。
「公開・タントラの秘伝瞑想」
タントラの秘法をここまで詳しく説明した記事は他にない。
画期的なことだと自負している。
沈黙観照法(antar mouna アンタル・マウナ)の6つの階梯
①聴覚の観察
まず体中の力を抜き、リラックス状態を深める。
聞こえる音すべてに意識を集中する。
ここで重要なのは大きい音も小さい音もすべて平等に感じ取るようにすること。
心地良い音も不快なノイズも全て分け隔てなく感じ取る。
すなわち一切の分別知性を手放し、全ての音を平等・かつ同時に受け入れている状態。
その為には音を聴いている自分自身に気付いていること。
そうすれば、やがて不快なノイズにも心が掻き回されなくなる。
②思考と感情の観察
全ての思考・想念を感じ、観察する。
強い想念も弱い想念も全て同等に受け止められるまで観察を続ける。
プラス思考もマイナス思考も全てが同じであることを直観するまで観察を続ける。
この「観察」が何よりも大切であり、そうすれば自我との同一化を防ぎ、一定の距離を置くことが可能になる。
日常の意識では見落としていた「微弱な想念」にも気付くようになる。
観察が進むと意識下に存在していた「恐るべき思考」が浮かび上がってくる。
悪徳な想いも、深刻なトラウマも浮上してくる。
恐ろしい体験が待っている。
我々のマインドは自分のことをそんなに悪人とは思っていない。
だが、心の奥は凶悪犯罪者と同じような魔性・邪悪な欲望が潜んでいる。
ホラー映画よりも怖く、グロテスクである。
これがアンタル・マウナの危険性なのだ。
自我マインドが耐えきれない。
だがきっちり「観察」が出来ていれば、どんなに恐ろしい想念やイメージも雲散霧消する。
真の観察とは、対象に関心を持つことではない。
逆である。
大いなる無関心こそが真の観察であり、その境地を感得することが出来たなら、どんなに恐ろしいマイナス想念も、その力を失うことになる。
③対象を絞った思念の観察
日常生活や仕事などの特定の一つの動作や出来事に対象を絞って、その時に感じていた思考や感情を追体験するように観察する。
日常のどんなシーンでも良い。それを切り取り、一つに絞って観察する。
それを邪魔するが如き、全く無関係なシーンが割り込んできても、相手にしない。
もし邪魔が激しく、観察が困難になった場合は、一連の作業を中断すること。
④刹那の想念を意識上でとらえる
瞬間的に浮かんでは消える想念に気付くことが出来るように観察する。非常に難しい。
⑤虚無を観照
虚無に飲み込まれるのではなく、虚無すら観照下に置かれている状態。
危険につき、このプロセスのテクニックは書かない。
⑥睡眠による無思考・無意識の状態を観察
既に説明した通りだ。
これはテクニックではなく、本人の意識の進化度が全てである。
以上、簡潔に説明したが、それぞれの階梯の裏に隠された目的に気付いていただければ幸いだ。
実際のテクニックは非常に細かく、膨大である。
しかし、それを全て説明したら10本分の記事になってしまう。
私はこの記事を書いたのは、読者の皆さんに実践してほしかったのではない。あくまで意図と目的を示すためである。
もし貴方がタントラの秘伝瞑想をどうしても実践したいなら、既にこの記事の中でリンクを貼ってある影身観照法(チャーヤ・ウパーサナ)の記事を読み、挑戦したらよいと思う。
具体的なテクニックまで詳しく説明した記事だ。実践に不足はない。
尚、沈黙観照法(アンタル・マウナ)の最初のテクニックは「聴覚」をする事だったわけだが、これを視覚、嗅覚、触覚など、他の感覚でも実行することが出来る。
だが今回は聴覚から始めることにした。
その理由は聴覚こそ「原初の音」の悟りの種子を花開かせることに直結するからである。
その点については「原初の音のテクニック」という記事がより理解を深めることに役立つと思う。
タントラの奥義はチャクラの覚醒だのクンダリーニの上昇だの、そんな部分にあるのではない。
それらは確かに必要なプロセスではあるが、本質はあくまで「意識そのもの」に有り、その純化と拡大こそが最大の焦点・キーポイントなのだ。