ベジタリアンの健康状態は? | 裏宇宙からの遺言 -悟りと覚醒のプログラム-

裏宇宙からの遺言 -悟りと覚醒のプログラム-

道の道とすべきは常の道にあらず。名の名とすべきは常の名にあらず。無は天地の始に名づけ、有は万物の母に名づく。

世界中の宗教で、それぞれ独自の戒律を設けている。
食事にも様々な制限をかけている。
戒律が多すぎて、社会環境の変化に即わなくなったケースも多く、それがまた多くの分派が生まれる原因となった。

無宗教の人でも食を制限している人がいる。
特に注目を浴びているのは、菜食主義の人達である。
しかし、同じ菜食主義と言っても様々な流派があ。それぞれに特徴がある。

健康のため、動物愛護のため、環境問題のため…など、個人レベルでも各自で動機は異なる。

肉類や魚介類だけではなく、卵・牛乳・ハチミツも拒否する完全菜食主義者もいる。
ビーガンと呼ばれる人達だ。
だが、そこまで徹底していない人は、少量の動物性食品は受け入れる。

牛肉や豚肉は避けるが、鶏肉は食する人もいる。
植物食が中心でも、卵や牛乳は受け入れる人もいる。

ヴィーガンが卵や牛乳すら拒否するのには理由がある。
その生産方法を問題視しているのだ。
乳牛には大量の乳を出してもらうために、餌の中にホルモン剤を混ぜるケースが多い。

雌の鶏には卵をどんどん産ませる。
卵の品質や産卵率を維持するために強制換羽を行なう。
雄は卵を産まないので、ひなの雌雄鑑別の時に殺処分される。

雌だって将来は安泰ではない。
老鶏になると卵を産まなくなるので屠殺される。
ビーガンにとって到底受け入れられないわけだ。


果物だけを食べるフルータリアンがいる。
種子や根菜類だけを食する人もいる。
逆に、種子や根菜類を拒否する人もいる。新しい生命が生まれるチャンスを奪わないように…。


最近、世界的にホールフードが注目を集めている。
日本には昔から全体食という概念があった。

肉類、魚介類、鳥卵、牛乳などは食材の組み合わせ方が難しく、栄養バランスを取りにくい。
だが加工や精製をしていない植物ならば、栄養のバランスが取りやすいという。
葉っぱ、根、皮、種子も丸ごと食する。

ただし全体食に向かない植物もある。特に野草・山菜の類はアクが強いものが多い。
しばらくお酢や塩水に浸したり、お湯で茹でてアク抜きするわけだ。

全体食・ホールフードなら無条件に良いわけではない。
表面の皮や芽に天然毒素が含まれている植物もある。
(ジャガイモの芽など)


正食法にも様々な流派がある。
小魚を食する流派もある。頭から尻尾まで食べられるからだ。
これも全体食の一種である。

菜食主義者は玄米を好む人が多い。
代表的なのがマクロビオティックだろう。
これもまた全体食である。生命を丸ごと食するのだ。

玄米は解毒効果が高い。
食物繊維が豊富だし、毒を排出するフィチン酸もある。

フィチン酸には大腸がん、乳がん、肺がん、皮膚がんの予防に役立つ可能性がある。
結石の予防効果も指摘されている。
抗酸化物質でもあるため、防腐剤としても利用されている。

その反面、ミネラルの吸収を妨げる可能性も指摘されていた。
特にカルシウムだ。
乳幼児に玄米ミルクを与え続け、骨が曲がってしまったケースが報告されている。

完全に証明されたわけではないが、食料事情が貧しい発展途上国の子供には好ましくないと言われる。
逆に栄養バランスが良好な人ならフィチン酸の多い食品を食べても、ミネラルの吸収効率や利用率は下がらないという。

ビタミンCや発酵食品を十分に食べている人はフィチン酸によるミネラル吸収抑制を弱めることが判明しており、あまり心配する必要はない。

では白米はどうか?
白米に含まれるフィチン酸はとても少なく、炊飯によって大半が分解されてしまう。
だが、古代インドのアーユルヴェーダ医学は、「白米は消化が良い」として推奨している。

私も白米が主食である。
玄米はエネルギーの癖が強すぎるので、私には合わない。
ただし食毒・体毒のデトックスを一気に進めたい時は、玄米だけの食生活を10日間ほど続ける。これを7号食という。


ヴィーガンは栄養状態の悪い人が多いという。
10年も20年もビーガン生活を続けた結果、年齢以上に老け込んでしまった人も多い。
極端な食事法はマイナスの側面も強いわけだ。

ビーガンに不足しがちな必須アミノ酸を補うために、適切なサプリメントの摂取を勧める人もいる。

私はビーガンが好きではない。
動物の命を大切にするのは良いが、自分の命を粗末にするのは一体どういうことだ?
自己虐待に等しいと思うのだ。


菜食主義者の間で代替肉が好まれるようになってきた。
大豆ミートなどである。
たんぱく質が豊富だから、栄養補給に役立つと考えたのだろう。

だが過信は禁物。
大豆イソフラボンを過剰摂取すると乳がん・卵巣がん・子宮筋腫のリスクが生じる。同じ理由で納豆や豆乳の摂り過ぎも良くない。
もちろん適切な量ならば健康に役立つ。


近年、栄養価という点で特に注目度が高いのはスーパーフード。
美容や健康に役立つ成分の多い食材である。
ハリウッドのセレブたちが夢中になり、世界中に広まった。

スーパーフードには法律上の定義はない。
だが一般的な食材と比べてアミノ酸、ビタミン、ミネラル、フィトケミカルなどの健康促進成分を多く含んでいる。
しかも植物由来だ。


サプリメントは特定の成分・栄養素のみを抽出したものが多い。
全体食・ホールフードと全く異なるわけだ。
食材を丸ごと凝縮したサプリメントもあるが、凝縮という工程自体が「加工」に相当する。


以上、見てきたように、食事法には色々な流派がある。
単純に、健康のために実践する人が多いが、動物愛護の理念に基づく食事法もある。
そこに宗教が絡むと、話がもっと複雑になる。ややこしい。


人間は頭が良いが、だからこそ面倒臭い生き物でもある。
つくづく思った。
あー、面倒くせぇ!!!


動物たちは難しい事を考えない。
人間とは大違いだ。
草食動物も肉食動物も、食べたいものを食べるだけ…。

そして何を食べても罪の意識を抱くことはない。
自然な欲求に従っているだけだ。
本能である以上、そこに罪はない。

人間だけが罪悪感を抱く。

ヒンズー教では牛肉と豚肉を禁止している。
イスラム教でも豚肉は禁止。
ユダヤ教では豚肉、海老、イカ、タコなどを禁止している。

いずれも私の大好物である。
これらの食物が食べられなくなるなんて、私には考えられない。
雁字搦めにされたくない!!!


私は信仰心を持っているが、特定の宗教の戒律に縛られていない。
基本的に食べたいものを食べる。

普段はご飯、納豆、味噌汁、漬物、芋の煮物だけの質素な食生活である(納豆は食べない日もある)。
胡瓜とワカメの酢の物が食卓に上る日もある。
酢の物なら海老やタコなどの海産物も合わせればもっと旨いぞ!!

外出中は飲食店に立ち寄る事が多く、動物性食品の割合が増える。
日本蕎麦、ラーメン、うどんも大好きだ。
クジラ、馬肉、鹿肉、合鴨も旨いし、ジビエ料理店で頂いたイノシシも旨かった。

暴飲暴食はしない。
一日一食が基本。たまに二食の日もあるが…。
時には断食もするし、10日間ほど7号食を実行するときもある。


食ひとつとっても本人の価値観や人生観がはっきり現れるものだ。
貴方には貴方の食生活がある。考えがある。
だから私は皆さんに「これが絶対に良い」などと押し付けるつもりはない。

唯一絶対の正解はないからだ。
危険性の高い食事法に対して「禁物」「厳禁」などと強い口調で警告するときがあるが、強引に押し付けるつもりはないし、不可能だ。

個人個人の体質は異なる。
価値観も違う。
試行錯誤しながら、貴方に合った方法を見つけて戴きたい。

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