屈折矯正術後(LASIK,PRK,ICL,RK)術後の多焦点眼内レンズの度数設定は難しい。Haigis-Lや角膜後面の乱視の修正でも、矯正量が多い場合は度数が正確でないことがある。特に、非常に高度近視が強い場合は、眼球が大きいため、挿入レンズが回転することもあり、術後3か月でタッチアップでLASIKやPRKなどで修正を余儀なくされることがあります。
あらかじめ、きちんとしたカウンセリングをおこなって、度数が合わない場合はタッチアップをします。との説明がしてあれば問題ないですが、エキシマレーザーを持っている施設は現在、非常に少ないので屈折矯正手術を受けた患者さんは、その手術を受けた施設で多焦点眼内レンズの手術を受けるか、エキシマレーザーがあるかどうかを確認し、術後、タッチアップができるかどうかを確認する必要があります。基本、多焦点眼内レンズの不満の90%以上が度数ずれによる裸眼視力が十分でないことがほとんどです。
もし、エキシマレーザーを持たずに多焦点眼内レンズを挿入して度数が合わない場合、乱視の軸ずれだけであれば、レンズの回転だけでおさまりますが、度数が合わない場合は多焦点眼内レンズの度数を変更するために、レンズの入れ替えが必要ですし、その費用はクリニックの持ち出しになります。レンズの入れ替えで、さらなる乱視がでることもありますし、それから、他施設でタッチアップでは患者さんの印象が非常に悪くなります。ですから、その場合はエキシマレーザーのある施設にすぐに紹介することができる