5月も折り返しを過ぎましたね。今月はいまひとつ活気のない日々が続いていますが、後半戦は何とか盛り返したいものです。みなさま、応援よろしくお願いします。
本日(18日)は、日曜日ですが当店は通常営業しています。お時間がございましたら、一息つきに来ませんか? お待ちしております。なお、来週の日曜日(25日)は、お休みをいただく予定であります。
ここで音楽ネタでも。先日、5月13日は、当店の店名の由来でもあるジャズ・トランぺッター、CHET BAKERの命日(没後37年)だったので、当店でも晩年のアルバムを中心にかけていました。今回は、晩年の未発表ライヴ音源を取り上げてみたいと思います。
SIGNATURE / CHET BAKER / RED
CHET BAKERが吹き込んだライヴ音源は、その死後に発掘されたものも含めると膨大な数にのぼりますが、本作も2024年に発売されたばかりの未発表ライヴ録音です。メンバーは、CHET BAKER(トランペット、ヴォーカル)、PHILIP CATHERINE(ギター)、JEAN-LOUIS RASSINFOSSE(ベース)という鉄壁のレギュラー・メンバーによるドラムレス・トリオ編成で、1985年9月、イタリアで開催された第12回・FOGGIA JAZZ FESTIVALでのライヴ録音であります。晩年のCHETはドラムレス編成を好んでいましたが、その場合、ドラムスが後ろでリズムを刻まないため、しっかりとしたタイム感覚を持ったベース奏者が非常に重要になります。本作にも参加しているJEAN-LOUISは1976年にCHETと出会ってから、合間に兵役期間を挟んでいるものの、1985年まで約10年に渡ってレギュラー・ベース奏者を務めた腕利きで、とくにドラムレス編成において、CHETが深い信頼を寄せていたベース奏者の1人です。PHILIPはロック系出身のギタリストですが、晩年のレギュラー・メンバーとして長く活躍しており、本作の時点でCHETと5年近く共演しています。3人それぞれが饒舌な演奏をしていますが、音で埋め尽くすようなことはなく、お互いのためのスペース(余白)はきちんと残されており、演奏を通して音楽的な対話をしているかのようです。曲目を見ると、スインギーな「FUNK IN DEEP FREEZE」で始まり、甘いヴォーカルも楽しめるバラード曲「MY FOOLISH HEART」、フラット気味でご機嫌なスキャットを聴かせる「BUT NOT FOR ME」、「HOW DEEP IS THE OCEAN」、そして恒例のアレンジによる「LOVE FOR SALE」で締めるといった流れで、お馴染みの曲が並んでいます。正直言って、CHET自身の調子は好調といえるほどではありませんが、それでも、CHET、PHILIP、JEAN-LOUISのレギュラー・トリオが遺していた未発表ライヴ音源を、現在になって聴くことができるのはファンとしては嬉しいですね。
おまけ。
その後の鉢植え(日々草)。本来、冬を越すことはできないはずの一年草なのですが、どこまでもつのか、試しに世話を続けていたら、厳しい寒さを乗り越えて、先月に一輪、更に今月も開花してくれましたよ。
Bar BAKER
日野市多摩平1-5-12 タカラ豊田ホームズ107