Bar BAKER お気に入り盤紹介315。 | 「Bar BAKER(バー・ベイカー)」のブログ。

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日野市・豊田駅北口「Bar BAKER(バー・ベイカー)」店主のブログです。ウイスキー、ジン、カクテルなど、こだわりの洋酒と音楽。落ち着いた空間で、一息つきませんか?
おひとりさま、初めての方、女性の方も、お気軽にどうぞ。

3月も折り返しを過ぎました。気温の乱高下に加えて花粉も厳しい時期なので、体調管理には気をつけたいものですね。年度末に向けて勢いをつけたいところですが、いまひとつ活気のない日々が続いているので、みなさま、応援よろしくお願いします。

 

本日(17日)は、日曜日ですが当店は営業しています。天気もよさそうですし(春本番の暖かさです)、お時間がございましたら、一息つきに来ませんか? お待ちしております。なお、来週の日曜日(24日)は、お休みをいただく予定であります。

 

ここで久しぶりに音楽ネタでも。当店の店名の由来でもあるジャズ・トランぺッター、CHET BAKER(チェット・ベイカー)のアルバムの中から、閏年の2月末~3月にかけてのレコーディングを取り上げてみたいと思います。かなり前に紹介記事を書いた覚えはありますが、また改めて。

 

 

「LITTLE GIRL BLUE」 (philology)

 

ジャケット右上にも記されている通り、CHET BAKERの生前最後のスタジオ録音としても知られているセッションで、イタリア出身のピアノの名手、ENRICO PIERANUNZIとの共演も聴きものです。メンバーは、CHET BAKER(トランペット、ヴォーカル)、ENRICO PIERANUNZI(ピアノ)、ENZO PIETROPAOLI(ベース)、FABRIZIO SFERRA(ドラムス)によるカルテット編成で、1988年の録音であります。同年2月、CHETマニア(笑)として知られるイタリアのphilologyレーベルのオーナー、PAOLO PIANGIARELLI氏によって、CHETとPIERANUNZIとの共演ライヴ・ツアーが組まれ、その終わりにスタジオ・セッションが企画されました。1988年は閏年にあたり、2月29日に、CHETとPIERANUNZIのみのデュオ編成、翌3月1日に、PIERANUNZIの率いるピアノ・トリオ、SPACE JAZZ TRIOとの共演によるカルテット編成のレコーディングが行われました。このセッションは、デュオ録音は「THE HEART OF THE BALLAD」、カルテット録音は本作「LITTLE GIRL BLUE」として、philologyレーベルから、それぞれ発売されました。曲目を見ると、「I THOUGHT ABOUT YOU」、「COME RAIN OR COME SHINE」、「JUST ONE OF THOSE THINGS」など、有名曲ではありますがCHETは取り上げてこなかった曲が多いです。変わり種としては、MILES DAVIS(実際にはBILL EVANSが作曲したようですが)のモード・バラード曲「BLUE IN GREEN」も吹き込んでいますが、曲の原型はほとんど残っておらず、大まかな流れに乗せた繊細なアドリブが繰り広げられています。アルバム・タイトル曲の「LITTLE GIRL BLUE」では、繊細なトランペットだけでなく、枯れたヴォーカルも披露しており、ヴァース部分の美しいピアノ・ソロも含め、とても味わい深い1曲となっています。1988年の5月にCHETが亡くなったため、結果的に本作が生前最後のスタジオ録音(この後、ライヴ録音は3作あります)となってしまったわけですが、本作「LITTLE GIRL BLUE」、姉妹盤の「THE HEART OF THE BALLAD」の2枚は再プレスされておらず、入手困難なレア廃盤として、CHETファンの間では有名なアルバムになっています。現在のようなインターネット販売や音楽配信もなかったので、僕も手に入れるまでに10年以上かかり、初めて聴いたときには感動した覚えがありますよ。いつか、再プレスされる日が来るのでしょうか。

 

おまけ。

 

先日、いつもお世話になっている花屋「フローリスト鹿島」さんで購入した、オステオスペルマムの可愛い鉢植え。暗いと閉じ気味になり、明るくなると再び開きます。

 

 

そして、突然の別れから6年。3月15日には、Hくんを偲んで献杯しましたよ。週初め、週末にも、別の訃報があったので、心がざわつく1週間でした。ご冥福をお祈りいたします。

 

 

Bar BAKER

 

日野市多摩平1-5-12 タカラ豊田ホームズ107