Bar BAKER お気に入り盤紹介307。 | 「Bar BAKER(バー・ベイカー)」のブログ。

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日野市・豊田駅北口「Bar BAKER(バー・ベイカー)」店主のブログです。ウイスキー、ジン、カクテルなど、こだわりの洋酒と音楽。落ち着いた空間で、一息つきませんか?
おひとりさま、初めての方、女性の方も、お気軽にどうぞ。

8月も最終週になりました。暑すぎるせいか、いまひとつ活気のない日々が続いていますが、何とかいい流れに戻して9月に繋げていきたいものです。みなさま、応援よろしくお願いします。

 

本日(27日)は、日曜日ですが当店は通常営業しています。お時間がございましたら、一息つきに来ませんか? お待ちしております。なお、来週の日曜日(9月3日)は、お休みをいただく予定であります。

 

ここで、アルバム紹介でも書こうかと思います。ここ2回は、PAT MORAN、SONNY CLARKと、ピアニストが続いていますが、今回は僕が最も好きなピアニスト(誕生日が僕と一緒なので勝手に親近感も抱いている)、エヴァンス先生こと、BILL EVANSを取り上げてみます。

 

 

EASY TO LOVE / BILL EVANS / RIVERSIDE

 

幾多の才能がひしめくジャズ・ピアニストたちの中でも、屈指の影響力と人気を誇るピアノの巨人の1人として必ず挙げられるのが、BILL EVANSではないでしょうか。それまでの黒人中心のジャズ界においては珍しい白人であること、クラシック音楽の影響を大きく受けた繊細で複雑な和音、ピアノ・トリオ(ピアノ、ベース、ドラムス)の概念を覆す三者対等のインタープレイなど、EVANSの音楽を語る際によく言われることですが、彼の音楽を聴いていると、そういった理屈を超えて心を揺さぶられるものがあるように感じます。EVANSといえば、1959年にSCOTT LAFARO(ベース)、PAUL MOTIAN(ドラムス)と結成した第1期ピアノ・トリオが非常に有名ですが、1961年、LAFAROが交通事故で急逝してしまったことにより、その短い活動に終止符を打つことになりました。本作は、LAFAROの死後、理想の共演者を求めて試行錯誤していた時期に吹き込まれたソロ・セッションで、1962年の録音であります。この時期のEVANSは精神的に不安定で、本作のレコーディングでも4曲を吹き込んだ時点で演奏を続けることができなくなり、セッションそのものが打ち切られています。そんな状態での吹き込みですが、10分を超える長尺の「DANNY BOY」はEVANS屈指の名演としても知られ、あれこれ言うのが野暮に感じられるような、寂しい美しさがあります。その他の収録曲を見ると、かなりのスロー・テンポで奏でられる「LIKE SOMEONE IN LOVE」は若干ダレる印象がありますが、「EASY TO LOVE」、「IN YOUR OWN SWEET WAY」の2曲は素晴らしい出来です。4曲だけではアルバム1枚には足りないため、本作ではキャリア初期のソロ・ピアノ録音も併せて収録されています。初リーダー作「NEW JAZZ CONCEPTIONS」(riverside)からは、有名な「WALTZ FOR DEBBY」の初期バージョン、晩年まで愛奏し続けた「MY ROMANCE」など、セカンド・リーダー作「EVERYBODY DIGS」(riverside)からは、EVANSのソロ・ピアノの評価を一気に高めた「PEACE PIECE」、その原型の「SOME OTHER TIME」などが収録されています。とはいえ、アルバム全体を通して聴いてみて、突出しているのはやはり「DANNY BOY」であり、いちだんと音が病んでいて美しいところに、強く惹かれるものがありますよ。BILL EVANSといえば、圧倒的にピアノ・トリオが有名ですが、ソロ・ピアノも負けず劣らず素晴らしいので、今回はソロ・ピアノのアルバムを紹介してみました。

 

Bar BAKER

 

日野市多摩平1-5-12 タカラ豊田ホームズ107