3月も中旬に入りましたが、みなさま、いかがお過ごしですか? 先週の水曜日(7日)に、当店の隣に割烹居酒屋「宇奈忠(うなちゅう)」が移転オープンしました。相乗効果で並び全体が盛り上がったらいいなぁと思います。本日(11日)は、日曜日ですが当店は営業致します。天気もよさそうですし、お時間がございましたら、一息つきに来ませんか? お待ちしております。なお、来週の日曜日(18日)は、お休みをいただく予定であります。
さて、今回はCHET BAKERのレコードを紹介してみたいと思います。今回の盤は、北欧のバリトン・サックス奏者との共演盤で、夭折した異才ピアニストとの最後の録音にもなった1枚であります。
「LARS GULLIN WITH CHET BAKER」 (dragon)
CHET BAKER(トランペット)、DICK TWARDZIK(ピアノ)、JIMMY BOND(ベース)、PETER LITTMAN(ドラムス)によるレギュラー・カルテットに、スウェーデンの名手、LARS GULLIN(バリトン・サックス)がゲスト参加したクインテット編成で、1955年の録音であります。55年の秋、ピアノにDICKを据えたレギュラー・バンドを率いてヨーロッパに渡ったCHETは、フランスのbarclayレーベルと契約し、10月に最初のレコーディング(「CHET IN PARIS VOL.1」などで聴くことができます)を行いました。数日後、ドイツでラジオ放送用のコンサートが開かれ、ゲストとしてGULLINが参加しました。その模様を録音したのが本作です。CHETと組んだバリトン・サックス奏者というと、キャリア初期の相方でクールなプレイを得意としたGERRY MULLIGANが思い出されますが、GULLINのプレイはもっと力強い印象です。PARKER作曲の「COOL BLUES」では熱い演奏を、バラード曲「LOVER MAN」では繊細な演奏を繰り広げています。数日前にスタジオでも吹き込んだ「BRASH」は、GULLIN抜きのレギュラー・カルテットで演奏しています。最後の「I’LL REMEMBER APRIL」では、「唄う通訳」とも呼ばれたイタリアのポップ歌手、CATHERINA VALENTEがスキャットで参加しており、楽しげな演奏を聴くことができます。このライヴが終わった後、その他のメンバーは乗り気ではなかったため、CATHERINAがギターを弾きながら唄い、CHETとデュオで「I’LL REMEMBER APRIL」、「EVERYTIME WE SAY GOODBYE」の2曲をスタジオ録音しています。数日後、ピアノのDICKがわずか24歳にして夭折してしまったため、このライヴが彼の遺した最後の録音となってしまいました。DICKのピアノには、クラシックとジャズを融合したような、他の誰とも似ていない個性的な響きがあり、今後の活躍が期待されていただけに、実に残念な結末でした。彼の参加したレギュラー・カルテットによるスタジオ録音は1枚だけですが、ライヴ録音は、本作も含めて数枚あるので、聴き比べてみるのも興味深いですよ。
みなさま、ぜひ「BAKER」へお越しくださいませ。初めての方もお気軽にどうぞ。お待ちしております。
Bar BAKER
日野市多摩平1-5-12 タカラ豊田ホームズ107
