さて、今回はCHET BAKERへ捧げられたレコードを紹介してみたいと思います。今回の盤は、CHETの影響を色濃く感じさせる女性トランぺッター兼ヴォーカリストのデビュー作であります。

「MY IDEAL」 (angharad)
ANNA CALLAHAN(トランペット、ヴォーカル)をフロントに、KAREN HAMMACK(ピアノ)、BARRY ZWEIG(ギター)、RICK SHAW(ベース)、JAMEY TATE(ドラムス)を加えたクインテット編成で、2002年の録音であります。やわらかい音色のトランペットを吹き、澄んだヴォーカルも披露するANNAは、女性版CHET BAKERと呼ばれることもあるそうです。本作はCHETに捧げるとの明記はないものの、タイトル曲の「MY IDEAL」、「I’VE NEVER BEEN IN LOVE BEFORE」、「MY ROMANCE」とCHETの愛奏曲を取り上げていますし、本作に続く彼女のセカンド・アルバム「IT’S JUST THE RAIN」では、「I’M OLD FASHIONED」や「LET’S GET LOST」の他、6曲も彼の愛奏曲を吹き込んでおり、CHET BAKERをかなり意識した選曲になっています。本作のタイトル曲である「MY IDEAL」は、スロー・テンポながら変拍子にアレンジしてあり、耳に残ります。3拍子で演奏される「MY ROMANCE」は、スインギーな演奏も素敵ですが、曲の後半でのヴォーカルの高音の伸びがとても綺麗ですよ。ANNAは、ソングライティング(作曲)にも非凡な才能をみせ、本作でもオリジナルを5曲、吹き込んでいます。スタンダード曲と並んでいても自然に馴染んでおり、作曲センスのよさを感じますよ。なかでも秀逸なのが、アルバムのラストを飾る、ピアノとのデュオによる「ADIEU」という曲です。題名の通り、別れを唄った寂しい曲ですが、スタンダード曲の「WHAT’S NEW」を連想させるような美しい曲で、とても印象深いですよ。CHETの影響がより濃く感じられるセカンド・アルバムのほうも、またの機会に紹介してみたいと思います。
みなさま、ぜひ「BAKER」へお越しくださいませ。初めての方もお気軽にどうぞ。お待ちしております。
Bar BAKER
日野市多摩平1-5-12 タカラ豊田ホームズ107