奥深くまで木々は色付き落葉と相まって木立の中に続く道路はまるで黄色いトンネルだ。物悲しいくせに賑やかで、僕もそうなのか。
視界が開けると、君の言うカレー屋が見えた。インド人のシェフ、いや、シェフじゃなくて料理人か?まあいい。
山裾斜面にへばりついたような場所ににカレー屋はあった。古い映画に出てくる木造校舎の様な建物は、峠に向かう山間の国道を脇にそれてややしばらく行くとあった。そのせいか、たたずまいも幾分ひっそりと感じられた。
「ふーん、こんなとこにあるんだねー、カレー屋さん。」
「そう、温泉もあるんだよ。」
「へーー!!そーなんだー。」
「◯◯、誰と来たんだー??」
「えっとね、ふふ、誰だっけ。 いいでしょ!!・・・友達よ、何人かで。」
玄関もまるで昔の校舎みたいで、案外そうなのかも。靴を脱いで板間の食堂に入ると室内は暗く、向こうの窓の外がやけに明るくて、自然そっちに歩いてくことになる。窓の外にもいくつかの席が用意されていた。バーベキューもできるみたいだ。外に出ると少し肌寒かったがそのまま椅子に腰をおろすと君は言った。
「お水持って来るね。」
「いいよいいよ、僕が持って来てやるよ。」
僕が立ち上がると振り向いた君はまっすぐこちらを向いて、
「いいの、私、持って来るから座ってて。」
思いがけず間近に向かい合って立つことになって、ふいに込み上げるこれはなんだろう。君はけなげで、小さくて・・・。
ヒールを脱いだ君は、初めてでもないのに・・・・。言葉をなくした自分に気付いてそのまま座った。
当然僕たちはカレーを食った。インド人の作ったカレー。味は覚えていない。それでもかつて食べたどんなカレーよりもおいしかった。最高のカレーだった。


