3月14日 第48回日本アカデミー賞イベントが、グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミールで、開催されました。
オフィシャルサイト
「侍タイムスリッパー」は、作品賞、監督賞、主演男優賞、脚本賞、撮影賞、照明賞、編集賞を受賞しておりました。3月14日テレビ放映されたのは、俳優の賞(新人、助演、主演)と監督賞、作品賞のみでしたが、会場の熱気が伺えました。
今回その中で最優秀編集賞、そして 最優秀作品賞を受賞されました。おめでとうございます。
出典:日本アカデミー賞
出典:日本アカデミー賞
出典:安田淳一監督
出典:gagamovie
今回の受賞について、デイリー新潮に興味深いことが書いてありました。
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業界関係者は言う。 「日本アカデミー賞の最優秀賞は映画製作に従事するアカデミー会員の投票によって選ばれますが、会員の2割ほどを東宝、松竹、東映の社員が占めているため、大手3社の作品が有利と言われてきました。『侍タイムスリッパー』は安田淳一監督が貯金と車を売ってひねり出した製作費2600万円で作られた低予算映画で、7部門で優秀賞を受賞しただけでも快挙と言われているんです」
(山口馬木也さんについて)
「それでも人気に繋がりませんでしたが、役者としては成長した。『侍タイムスリッパー』では、冒頭、長州藩士を暗殺する密命を帯びた会津藩士役で登場するのですが、彼の演技がしっかりしていたからこそ自主映画とはいえ安っぽさを感じない作品になりました。笑いあり涙ありで、最後はしっかりオチも作った。剣一筋の真面目な会津武士をしっかり演じたからこそ、笑いにも繋がっていました」
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出典:自主製作映画「侍タイムスリッパー」日本アカデミー賞の最優秀賞受賞なるか 主演「山口馬木也」は大河に出演決定(デイリー新潮) - Yahoo!ニュース
私は、最優秀アニメーション作品賞も合わせて、今回、日本でないと作れなかったもの、「日本の古来から繋いで持っている何か」が顕著に表れた作品が選ばれたように思っていて、とてもうれしかったです。
佐藤さんも同じようなことを思われたのだと信じたい…。
「ルックバック」は3回鑑賞、舞台挨拶にもお邪魔したんですが、音楽を担当されたharuka nakamuraさんとの対談では、「happyはアメリカに住んでいたらできていなかった」ようなことを言っていました。
出典:日本アカデミー賞
「侍タイムスリッパー」のキャラクターの造詣も、脚本を書いた安田監督や演じた方々、関係した方々の人間性が表に出てきた映画だと思っています。
例えば、画面に見える背景。
会津藩士がいた時代は1867年、現代は2007年の設定。2007年では、俳優たちの伊丹監督の映画のレンタル落ちビデオや優子さんの書斎にあった4cm幅のハローダイヤル(2005年に個人情報保護法が施行されましたが、当時は各家の電話番号が載っているハローダイヤルがあった)、優子さんや和尚さんが持っているガラケーなどその時代を色濃く描いています。また若いころの風見が持っている十手。十手がわかる10代~30代っていらっしゃるんでしょうか。
また、磨かれた所作もすばらしいです。関本さん、会津藩士の高坂さんの立ち居振る舞いのかっこよさにしびれます。高坂さんが関本さんに渡すシーンで、高坂さんは「暇願」を袂に用意し、関本さんが「暇願」を正面に見えるようにくるっと回して渡します。関本さんが右手で「暇願」を受け取ったら、右手、左手と離す…。あの所作には初めて見たときから、しびれておりました。
茶道の所作にも同じようなものがあります。あの所作って合理的でスマートなんですよね~。
派手な殺陣(たて)ばかりがクローズアップされますが、細かい作りこみが本当に見事。NHKのような所作指導も方言指導もなく、ましてやAIによる修正もない中で、よくぞここまで「会津藩士の高坂さん」を作りこんだのかと驚きました。
(偉そうに響いたらすみません)
この映画について、福本清三さんが残した名言「一生懸命やっていれば、どこかで誰かが見ていてくれる」がよく引用されます。それに加えて、侍タイムスリッパーチーム全員が、自分の場所で人生や習慣で磨きをかけた所作、人間の在り方が、映画「侍タイムスリッパー」という結晶になったのだと信じております。
関連サイト
A Samurai in Time (2023) - IMDb
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→この流れだと、三色だんごですね。
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