昭和の時代がどんどん遠くなるなか、高度経済成長まっただ中に制作されたアニメーション映画「『宇宙戦艦ヤマト 劇場版』4Kリマスター(starblazers-yamato.net)」を鑑賞しました。
出典:『宇宙戦艦ヤマト 劇場版』4Kリマスター(starblazers-yamato.net)


▼《原初の形》にすべてを戻す。余計な加工はしない。
当時作られた画と音をただひたすら磨き上げる。
それが「オリジナル版・宇宙戦艦ヤマト」を現代に蘇らせる、「4Kリマスター」のグランドルールです。
▼音声
音声は初公開時のモノラル音声を採用。
新たに発見された「磁気録音のマスター素材」を使用し、更なるダイナミックレンジと音質を獲得しました。
▼映像
歴史の中で切り刻まれ散逸していたオリジナルネガを発掘し復元。4Kサイズでデータ収録し、ネガの破損や細かな傷を徹底的に消し去りました。
35ミリフィルムで撮影された「オリジナル版・ヤマト」の瑞々しい色彩が改めて浮き彫りになります。
リマスター作業には日本最高峰の技術を誇るIMAGICAエンタテインメントメディアサービスの精鋭スタッフがあたりました。
当時を知る方も、まったくご存知ない方も、「原初の姿に生まれ変わった歴史的名作」を、ぜひ劇場の大スクリーンでご堪能ください。
(抜粋ここまで)
出展:2作品連続公開決定!『宇宙戦艦ヤマト 劇場版』4Kリマスター/『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』4Kリマスター (starblazers-yamato.net)
リマスターについて
よくぞここまで修復されたものです。以前は星なのかキズなのかよくわからない白いのがいっぱいありましたが、すっきりしました。星は星、雨は雨で見ることができます。またパンフレットでヤマト2199~の音響担当の吉田知弘氏が今回のリマスターを手がけているんですけれども、パンフレットで興味深い話wがありました。
「アナログの素材なのでどうしても劣化してしまっているんです。まず『転写』といって、磁気テープ同士の隣あった音がお互いに写ってしまっている。つまり、本来の音声の下に聞こえてはいけない音がうっすら聞こえてしまうんです。さらには技術的にもノイズに関しても昔は寛容なので、編集ノイズも残ってしまっている。」
ということで、転写やノイズの除去に心血を注がれたそうです。私は麻上洋子氏もとい講談師一龍斎春水氏も映画を鑑賞された横浜ブルク13で鑑賞しましたが、当時の音声がクリアーに聞こえて感動しました。
感想
戦後の高度経済成長が見える。
固定電話、持ってる?
→回線はあるけど、装置はもっていませんね。
▼本日限定!ブログスタンプ
なんて、Amebaさんのブログスタンプをお借りしておりますが、当時は高度経済成長、ものづくりの日本。デスラー総統がタラン将軍にこんなことを言っています。
「イスカンダルの設計図が優秀だったということだな」
いままで、あまり気にしていなかったのですが、種子島以降、サンプルをもとに真似をしながら忠実に作ってきた職人気質の時代が見えてくるセリフだなと思いました。また、アナライザーがドリルミサイルを逆転させるときに、コードとコードを結び合わせますが、当時、切れたコードの線を剥き出しで結び合わせる人いたなぁ…と。
#今はやめてください。火事になって、人生の選択肢や可能性をせばめますよ!!
戦争の恐ろしさや哀しさを知っている人が描いている。
当時は森雪さんという女性が戦艦に乗るのは猛反対されたそうです。男尊女卑という理由ではなく、
「俺たちは妻や子供を守りに行くために乗るんだ。だから女性はのるべきではない」
だから、筆のタッチは荒々しいけれども、そういうところがみえますよね。
真っ赤な地球が現れると「真っ赤なスカーフ」
ヤマトは無音のプレッシャーが強い映画です。最初は真っ暗な画面で始まり、いきなり真っ赤な地球が現れます。
その後、旅立ちのとき、太陽系と通信できなくなるときに現れるのは真っ赤な地球。その度に、決まって流れるのは「真っ赤なスカーフ」。作詞家の阿久悠さんは、「真っ赤」にかけて作詞していたんだということを今更ながら気づきました。
アイディアの宝庫。
「毒をもって制す」や「ドリルミサイルの対処法」といい、アイディアの宝庫ですよね。先頭をきっていろいろアイディアを出していたのは、先日、逝去された松本先生だったのではと思い、当時のメンバーの議論の様子を想像しました。例えば、ドメル将軍のドリルミサイルの戦法は、昆虫の寄生を思い出します。松本先生は『インセクト』でもアゲハチョウの幼虫に寄生するハチのマンガを書いていらっしゃいます。また、ガミラス星の構造もまるで、松本先生の故郷の近くにある山口県にある秋芳洞を思い出しました。
「宇宙戦艦ヤマト2022」のピンクのキャデラック
「宇宙戦艦ヤマト2022」冒頭に出てきた森雪さんの「ピンクのキャデラック」はイスカンダルのスターシャのクルーザーのオマージュでしょうかね…。
で、「さらば宇宙戦艦ヤマト」は2回いけそうなので、第二弾のチケットも購入しました。
前売り購入特典の復刻ビジュアルB2ポスター
ご参考
2作品連続公開決定!『宇宙戦艦ヤマト 劇場版』4Kリマスター/『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』4Kリマスター (starblazers-yamato.net)
「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」音響監督・吉田知弘さんインタビュー、柏原満さん制作のオリジナルSEを蘇らせた音の守り人 - GIGAZINE
「宇宙戦艦ヤマト」著作権・原作者論争 1 (newyamato.com)