【映画】#ザ・ホエール の舞台挨拶 と 映画の感想  | いろいろといろ

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 2023年4月7日 「ザ・ホエール」第95回アカデミー賞で主演男優賞を獲得したブレンダン・フレイザーさんの舞台挨拶に行ってきました。久しぶりの舞台挨拶もあってか、業界の方々が多いような気がしていました。
 
ふんわり風船星スクリーン7でのイベントです。
撮影日:2023年4月7日
 
撮影日:2023年4月7日
 
 
当日は、主人公のチャーリーがオンライン講師をしているという設定から、オフィシャルサイトで募集した49名がオンラインで参加しています。
 
 
MCは伊藤さとりさん
 
 
写真撮影のときは眼鏡をとってくれました。
 
また、観客が撮影してよい時間がありました。客席から見た景色です。

 

 

 

ふんわり風船星インタビュー内容:(ざっくりまとめています)

 

Q1:ハムナプトラ3から15年ぶりの来日になるが、行きたいところはありますか。

 

A:

 桜の咲いているところにいきたかったが、散ってしまっていて残念。(MCからのお祝いの言葉に応じて)とても、ハムナプトラで共演したミシェル・ヨーとはアカデミー賞を獲得するまでの6ヶ月間を共にした。業界の躍進に貢献できてうれしい。

 行きたい場所は、京都、大阪、おいしいラーメン屋さんがあれば教えてください。カメラは、カメラ屋さんによって、すばらしいカメラを手に入れました(笑)。

 


 

Q2:特殊メイクについて

A:チャーリーは愛にあきらめない希望をもっているが、過食によって自分を傷つけている。チャーリーを作り上げるために特殊メイクを利用しました。特殊メイクでエイドリアン・モリーサンがメイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞しています。デジタルの表現ではない、実際の重力にのっとった作り方をしている。映画でチャーリーに会ったら、とても好きになると思います。

 

(制作で、何か発見だったことはないかというMCからの質問に対して)コロナ禍の中で制作した映画だった。映画を楽しめるすばらしさを感じている。コロナ禍で5人の登場人物が思いやりながら撮影することができた。2020年から2021年に制作された映画は同じような資質を持っていると思います。

 


 

 

Q3:アカデミー賞で共演者について語っていました。詳しく教えてください。

 

A:ホン・チャウが演じるリズ役は、彼女一人だけで1本の映画を作ることができる。もともとこの映画は劇の脚本だが、撮影前、リハーサルをした。3週間過ごす中で、お互いの間違いを目撃する中で、相互理解が深まりました。そういった人との人との関係性がスクリーンから届くような作品になったと思う。実は、ホンさんは赤ちゃんを出産したばかりでした。ホンさんが赤ちゃんの世話をできるように、気を使っていた。

 

※ホン・チャウさんは本作でアカデミー助演女優賞にノミネート

 

エリー役のセイディー・シンクは若いのにすばらしい才能をもっている。32年のキャリアを持っている自分からみても、驚異的だった。彼女が演じているのは、心に痛みを抱えている若い女の子。そういう女の子だということを心にとどめていただきたいと思います。また、この映画の撮影後、「ストレンジャーシングズ」の最後に出てくるモンスターを戦うところを撮影しています。彼女にかなうわけがなかったんです。

われらがセイディーです。

 

(トーマス役のタイ・シンプキンス役について)

タイはこの映画の撮影を通じて、何かを成し遂げて大人になっていくプロセスを見ることができました。特別な時間をすごしました。

 

(元妻役のサマンサ・モートンについて)彼女と共演できてすばらしかった。映画では夫婦間はうまくいかない設定だったのが残念でした(笑)

 


 

Q4:「ハムナプトラ」のようなアクション映画に出る機会はありますか?

 

A:

 アカデミー賞をいただいたので、(「ハムナプトラ」シリーズ製作の)ユニバーサルの方々が、また僕をキャスティングしてくれることを祈ってください」とお茶目に微笑んだフレイザー。イベントではたくさんの拍手を浴び、「ファンの方々を心から愛しています。こういう仕事をできるのも、特別なチャンスを与えられるのも、皆さんのおかげ。大好きです。

 

 


 

最後、去り際に、投げキッスをして降壇されました。

 

 

 

メモトークの内容はここから!!

メモ関連リンク:
ふんわり風船星私が撮影した写真(抜粋)
 
また、観客から、撮影してよい時間をいただきました。ありがとうございます。
撮影日:2023年4月7日
 
コラージュしましたよん…。

撮影日:2023年4月7日

 

ふんわり風船星映画の概要:

 劇作家サム・D・ハンターによる舞台劇を原作に、死期の迫った肥満症の男が娘との絆を取り戻そうとする姿を描く。

40代のチャーリーはボーイフレンドのアランを亡くして以来、過食と引きこもり生活を続けたせいで健康を損なってしまう。アランの妹で看護師のリズ(ホン・チョウ)に助けてもらいながら、オンライン授業の講師として生計を立てているが、心不全の症状が悪化しても病院へ行くことを拒否し続けていた。自身の死期が近いことを悟った彼は、8年前にアランと暮らすために家庭を捨ててから疎遠になっていた娘エリー(セイディー・シンクス)に会いに行くが、彼女は学校生活や家庭に多くの問題を抱えていた。

出典:ザ・ホエール : 作品情報 - 映画.com (eiga.com)

 
 
 
注意注意注意以降ネタバレです注意注意注意
 
 
 
 
ふんわり風船星感想:
 
「ザ・ホエール」はハーマン・メルヴィル原作の「白鯨」から…。冒頭、「search」のように💻画面が開き、オンライン授業のシーンが始まります。ところが、講師だけはカメラがオフになっており、真っ暗。講師は「カメラが壊れているから」と言い訳をして、「エッセイ」に関する講義を始めます。
 
 講師は、過食により、心不全(血圧230以上~叫び)で残り時間がわずかなことを知ったチャーリー。
 
 ある月曜日:心不全の発作を起こしたチャーリー。そこに
新興宗教New Lifeの勧誘にきたトーマスがやってきて、部屋の内部が異常なのに気づき、入ってきます。チャーリーはお気に入りのエッセイを読んでもらい、発作はなんとかおさまります。
 
そのエッセイがこれ。
 
「In the amazing book Moby Dick by the author Herman Melville, the author recounts his story of being at sea. In the first part of his book, the author, calling himself Ishmael, is in a small sea-side town and he is sharing a bed with a man named Queequeg, and I felt saddest of all when I read the boring chapters that were only descriptions of whales, because I knew that the author was just trying to save us from his own sad story, just for a little while.
 
「著者ハーマン・メルビルによる驚くべき本白鯨の中で、著者は海にいた彼の話を語ります。 彼の本の最初の部分で、イシュマエルと名乗る著者は小さな海辺の町にいて、彼はクィークエグという男とベッドを共有しています。
 
クジラの説明だけの退屈な章を読んだとき、私は何よりも悲しくなりました。なぜなら、著者がほんの少しの間、彼自身の悲しい物語を先送りしているだけだとわかっているからです」
 
 
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物語は月曜日、火曜日、水曜日、とんで金曜日だけのお話。
 
 リズは、新興宗教NewLife(最近、日本でも話題になった「統一教会」「エホバの証人」と同じように、上下関係と規律が厳しい団体)の教義がもとで兄のアランを亡くし、そのアランの恋人だったチャーリーを身内として看護しています。ですから、NewLifeという宗教に強い怒りを持っています。
 
 トーマスは、NewLifeの神父を装っていますが、NewLifeの教義に背いて、司教から現金2400ドルを盗んできた少年。この罪をチャーリーの娘、エリーに打ち明けます。
 
 エリーは、チャーリーの娘。8年前に別れた妻が育てています。最近、SNSで同級生を誹謗中傷して、停学中。卒業も危うい状態になり、長い間分かれていたチャーリーに会いに来ます。彼女の目的は、高校を卒業すること
 
 元妻は、エリーをチャーリーに会わせません。「夫が男性と恋仲になったのが理由」だと思わせられるのですが、金曜日にどんでん返し
 
 
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 月曜日から水曜日に描かれるのは、チャーリーのみじめな醜態とエリーの意地の悪さです。キャラクターのタイプは、わたなべまさこ原作の「聖ロザリンド」の主人公、アガサ・クリスティー原作の「ねじれた家」のジョセフィン。
 
 
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 チャーリーの巨体から「ギルバート・グレイプ」を連想しておりました。あの映画のように、もろもろのしがらみから解放される話のように思っていましたが。すべての原因がチャーリーの恋愛傾向や肥満、不健康にあると思っていたんです。
 
 ですが、金曜日にすべての謎が解けます。アランが死んだのは「チャーリーが彼を愛さなかったことが理由」。「愛したからではなかった」ということがわかるのです。
 
 元妻がエリーとチャーリーを合わさなかったのは、エリーの素行に問題があったからだったんです。そして、チャーリーが心臓発作のときに、トーマスに読んでくれと行っていたエッセイはエリーが4年前に書いたもので、母はチャーリーにそれを送っていました。
 
となると、下線部の解釈は全く異なります。
 
I felt saddest of all when I read the boring chapters that were only descriptions of whales, because I knew that the author was just trying to save us from his own sad story, just for a little while.
 
下矢印
 
「結末なんか最初からわかっているくせに、だるい鯨の描写で時間稼ぎするなんて、やってらんないわむかつき。」
 
 
 
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  チャーリーは退官するときに、「Honesty is matter(正直なのは課題だ)」と繰り返しいいながら、授業をこけおとした学生の名前とメッセージを読み上げます。
 
 どれだけ、学生達の心ない言葉がチャーリーに刺さっていたか…。
 
 私には「Honesty is armer(赤裸々なのは抜き身の刀)」としか思えませんでした。傷をさらしたチャーリーは、この後、自分の真実の姿をさらして、PCをなげつけます。壊れたPCは、筐体がめくれて、内部のボードがみえています。それはあたかも、自分を傷つけてきたチャーリーの姿のように思えます…。
 
 彼は、アランの恋愛事件に始まり、表から見えない人の赤裸々な悪意や好意に敏感。それが故に自分を傷つけて、過食に走ったようです。
 
  眼を見開くエリー
  ふわりと浮いたむくんだ足。
 
 彼が天に召されたのか、はたまた、「ねじれた家」のエディスのようにエリーを「どこか」に連れていったのかは、鑑賞者に委ねられています。
 
 彼が主演男優賞をとったのは、「セリフがうたっていない、チャーリーの哀しみを描きだしている」ところかなと思いました。