今週は「モーツアルト!」のオンライン配信鑑賞に始まり、「ディック・ロングはなぜ死んだのか」「パブリック 図書館の奇跡」といった映画を見ました。なりゆきでチョイスしたのですが、なぜか今週は「おしり」ネタに終始してしまいました。
#モーツアルトがおしり星人だったことを忘れていました。ネタに入れないはずがな~い。
で、そんな私の1週間にとどめを刺してくれたのはこの作品。
■パブリック 図書館の奇跡
■ストーリー
米オハイオ州シンシナティの公共図書館で、実直な図書館員スチュアート(エミリオ・エステベス)が常連の利用者であるホームレスから思わぬことを告げられる。「今夜は帰らない。ここを占拠する」。大寒波の影響により路上で凍死者が続出しているのに、市の緊急シェルターが満杯で、行き場がないというのがその理由だった。
約70人のホームレスの苦境を察したスチュアートは、3階に立てこもった彼らと行動を共にし、出入り口を封鎖する。それは“代わりの避難場所”を求める平和的なデモだったが、政治的なイメージアップをもくろむ検察官の偏った主張やメディアのセンセーショナルな報道によって、スチュアートは心に問題を抱えた“アブない容疑者”に仕立てられてしまう。やがて警察の機動隊が出動し、追いつめられたスチュアートとホームレスたちが決断した驚愕の行動とは……。
出典:オフィシャルサイト
■感想
ストーリーを見たとき、「地味な映画で寝るかも」と思いました。ですが、ファーストデーだと満席で席がとれない映画です。最近、上映しているものは時間があえば見るようにしていますが、これは見る価値がありそう。レディースデーを利用して行ってきました。
オフィシャルサイトのコメントで、木村草太(憲法学者)氏の感想に一番共感しています。
「【この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない(憲法12条)】。
PUBLICは、案外、壊れやすい。PUBLICの生成・維持のため、それぞれ努力する人々の姿にワクワクした。」
映画の中にちりばめられている質問が「スカッとジャパン」を超越するぐらいすごいです。
「初代大統領のカラーの写真ありますか?」
「【実物大】の地球儀ありますか?」
返答がウィットに富んでいます。私は頭が固くてストレートに行ってしまうんですが、実物大の地球儀は「使用中です」といって、納得させていました。機知に長けた回答集としてまとめたいぐらいです。
※初代大統領のカラー写真についてはどうやって交わしたかを忘れました。
そんな百選錬磨の図書館員でも対応が難しかったのは、全裸で歌う人。服を着るように説得を試みるのですが、警備員も「裸の男に対する条項はない」といって対応を拒否するんですよね。このケースは男が倒れちゃったので、救急車で病院送りとなりました。(解決とはいえない)。
そんなある日、寒波が襲い、ホームレスが避難するシェルターが足りず、図書館に70人ものホームレスが「入れてくれ」と大挙してやってきます。実は過去ホームレスだった図書館員のスチュアートは最初断るんですが、実は自分が首になることが決まったとたん、ホームレスといっしょに運動することを決意します。
ですが、マスメディアはスチュアートを「心に問題を抱えた“アブない容疑者”」として報道して視聴率を稼ぎたがっています。スチュアートからあぶないセリフをひきだそうと質問をかぶせるんですが、そこでスチュアートが引用するのがスタインベックの「怒りの葡萄」の一節。
(参考)この書籍自体は非難も強く、除去する図書館も続出したそうです。その結果、図書館の読者の知的自由を守る決意として図書館の権利宣言(Library’s Bill of Rights)が生まれ、1948年にアメリカ図書館協会が採択したのだそうです。
図書館長も「図書館は民主主義の最後の砦だ」という思いが強く、スチュアートの活動に参画。スチュアートも本を燃やしてしまうのには忍びない。そこで彼が考えた方法は…
おしり星人だったわけです。
あんまり日本人受けしないギャグで、冒頭のラミレスの言葉が伏線になっています。その脚本のウィットにくすっとしていたのは私だけで、他の人たちはおっさんのおしりは見たくないので、みんな無言。
■関連ツイ
coco - 映画レビューサイト@coco_official
coco映画レビュアー 満足度ランキング(最新劇場上映作) https://t.co/CgTNnPu3KZ 1位 『パブリック 図書館の奇跡』 2位 『イップ・マン 完結』 3位 『のぼる小寺さん』 4位 『ステップ』 5位 『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』
2020年08月10日 12:05
ロングライド|映画配給@longride_movie
図書館は子どもにとっても大切な居場所…コロナ禍で考える公共施設の役割(なかのかおり) - Y!ニュース https://t.co/IxpHH0fsfA
2020年08月12日 18:42
ロングライド|映画配給@longride_movie
\🌤大ヒット上映中📚/ 『#パブリック図書館の奇跡』 本作にも登場する"レファレンス サービス"を描いた人気漫画 📖「夜明けの図書館」 https://t.co/0DCkA0VfeV 著者の #埜納タオ さんにイラストを描き… https://t.co/rdsDuWfTDa
2020年08月03日 09:01
ところで、この映画を見たあと、韓国の記事でこんな記事を読みました。(日本についてこの類の記事は怖くてみていないのですが)
(抜粋)
「休んだ」人とは違い、就職活動を希望したが採用の中断など労働市場の理由で就職できない求職断念者は58万人で、統計集計基準が変更された2014年以降、7月基準で最多とだった。前年同月比で5万5000人増えた。双方を合わせると計289万9000人となり、非経済活動人口全体の約17.5%にのぼる。非経済活動人口のうち就職を放棄したり働く意思がなく求職市場に戻っていない状態ということだ。「休んだ」という人は特に20代(6万8000人、20%)で最も多い。
(抜粋ここまで)
これは韓国の話ですが、各国で「怒りの葡萄(=「葡萄」とは、神の怒りによって踏み潰される「人間」)」がどんどん育っていっているのではないかと思います。コロナで、「怒りの葡萄」がどんどん房(クラスター)をつけているのではないかと、心なしか不安になりました。当事者意識を持ってみてみると、きっと役に立つときがきそうな映画です。
■関連サイト