3月15日ごろ、コロナの生まれた日/コロナが日本に来た日というタイトルで記事を書きました。そのときに書いたのが、こんな一言。
「ヨーロッパは1月24日上海から入ってきたウィルスが蔓延。今度は一次パンデミックが終わった国々を襲いそうです。予断も油断も…。」
実は3月下旬、ヨーロッパからウィルスが侵入していたという記事が国立感染研究所にアップされていました。
(引用)

1月初旬に中国・武漢から発したウイルス株を基点にして、日本各地で初期のクラスター(図1赤●)が複数発生し消失へと転じていることが確認された。
さらに、2月5日から本格的な検疫を開始したクル ーズ船・ダイヤモンド・プリンセス(DP)号の乗客・乗員896名(全対象3,711名の1/4に相当)から検 出された陽性患者148名のうち 70名分のゲノム情報を確定した。武漢株(Wuhan-Hu-1: GenBank_ID MN908947)のゲノム情報と比較した結果、船内の大規模感染を引き起こした株のゲノムは1塩基のみ変異(G11083T)していた(図1 マゼンタ●)。現在のところ、このDP号を基点とするウイルス株は検出されておらず、日本においては終息したものと思われる。
この中国からの第1波による感染クラスターを抑え込みながらも、世界では3⽉初旬からヨーロッパお よび北米で感染拡大と感染爆発の傾向がみられ、日本においてもヨーロッパ株を基点にしたSARS-CoV-2 株が検出された(図1 左上赤●)。その後、日本での3月における⾏動制限が不十分な中、大都市圏で の感染拡⼤を発端に全国各地へ”感染リンク不明”とされた孤発例が多数検出されるようになった。
2020 年3月末から4月中旬における日本の状況は、初期の中国経由(第1波)の封じ込めに成功した一方、欧米経由(第2波)の輸入症例が国内に拡散したものと強く示唆された。
(引用ここまで)
China紫とDPマゼンダは2月28日以降あまり大きくなっていないことに注目~。
■1月1日
■1月21日
■2月28日
■3月15日
■4月16日
同じような記事がありました。
新型コロナの「遺伝指紋」を作成した結果、日本にヨーロッパ型が侵入したことが判明(英語原文)
(抜粋)
日本ではこれまで中国の少数派閥から発した東アジア型が主流でしたが、3月11日以降はオレンジのヨーロッパ型の検出が増えてきました。
日本と同じヨーロッパ型の変異が確認された国は、イギリス・アイスランド・ベルギー・オランダ(ネーデルランド)・イタリア・ドイツ・ブラジル・カナダなどがあげられます。これは東アジアからはじまった感染がヨーロッパを巡り、日本へUターンしてきたということでしょう。初期において強い封鎖が行われていた中国などでは、このようなUターン現象はみられませんでした。
(抜粋ここまで)
上記の論文では、ウィルス同士も生存競争があるとのこと。
(抜粋)
グラフから、新型コロナウイルスはより効率的な感染能力を求めて自分を変異させ続けている様子が読み取れます。
そしてアメリカで東アジア型が衰退したように、現在はウイルスのサブグループ(型)どうしで内戦のような状況が発生しています。ウイルスは、他の型によって患者が死んだり免疫が生じたりする前に、自分の型を感染させて増やさなければ生き残れないからです。ですが、もしかしたら、このウイルスどうしの内戦に人類の付け込む余地があるかもしれません。というのも「感染しても無症状になる型」がウイルスどうしの内戦に勝利した場合、それは人類にとっても勝利と言えるからです。
ですが特定の型に援助を行い「ウイルスをもってしてウイルスを倒す」戦略は、つまるところウイルスとの共存です。
人類が新薬をもって、一撃のもとにウイルスを絶滅させる…。そんな夢のような未来を信じている人もいるかもしれませんが、ウイルスの変異速度を考えると難しいと言わざるを得ないでしょう。
(抜粋ここまで)