最近、ある事件で「告発の行方(原題:The Accused 1988)」を思い出しました。
■この映画でアカデミー主演女優賞を獲得したジョディー・フォスター
(2007年 映画「ブレイブワン」での来日イベントのときの写真)
■この映画はアメリカで1983年に起こったレイプ事件をベースに制作されたもの。この映画の焦点は、直接レイプを犯した犯人ではなく、それを煽った周りの人間たちを糾弾し、更に裁けぬと分かりつつも見て見ぬ振りをした周りの客をも断罪する検事を描いたものでした。ジョディーはレイプされたサラという女性。
パワハラ/セクハラをする人、気づかずにやっている人、「自分はやってもかまわない」と勘違いしている人には、迷惑している人が多いと思います。当人だけならまだしも、徒党を組まれて、外堀と内堀を埋められると逃げ場がなくなる。日本でも多かれ少なかれ事件がありますが、韓国で最近起こったのは、「N番めの部屋」という事件。
Kstyle@Kstyle_news
VIXXのラビ&Girl's Day ヘリ&ソジンらも続々…性犯罪に関する法の改正を政府に要求 https://t.co/uKF2cOaFKW
2020年03月22日 18:00
(誓願内容要約)
「被疑者の情報を公開してフォトライン(検察に出頭する際、大勢の記者の前でひと言話す場所)に立たせること」
この請願に対しては、警察庁長から返信があり、
「'博士の部屋'運営者チョジュビン(満24歳)に対しては今日ソウル地方警察庁での公開委員会を開催して'性的暴力犯罪の処罰などに関する特例法'に根拠して声明と年齢、顔写真を公開しました。
国民の知る権利の保障、被疑者の再犯防止、犯罪予防効果など公共の利益を総合的に考慮しており、今後検察の送致時には現在の顔も公開する予定です。」また、、女性家族部長官からもコメントがあり、「今後のデジタル性犯罪に対しての法改正を進める」とのことでした。
こちらはもっともな対応だと思いました。
ところが、もうひとつ請願があがっていまして、内容を読んで背筋が凍りました。
Kstyle@Kstyle_news
VIXX レオ、N番部屋事件に言及「加入者全員の情報公開を要請します」 https://t.co/PttRtl46qZ
2020年03月24日 16:20
博士の部屋に行っていた人の氏名、職場、年齢の詳細の公開の請願。以下抜粋。
「しかし、この犯罪は、大韓民国で必ず再発することです。 その部屋に加入された26のみの購入者が何の処罰も受けていないからです。 管理者、供給者だけがいつまでも処罰してもしょうがないです。 もちろん、管理者や供給者に対する処罰も十分に行われなかっだと思いますが。このような形の犯罪は、需要者がいて。 需要者の購買行為に対する処罰がない限り、必ず再発します。 再び犠牲ができます。
(略)
どこに住んでどの職場に通っており、年齢何歳かのどうやってできた誰が、その部屋に参加したのか、その26万人の犯罪者の名簿を公開してください。」
この書き込みをみたとき、「目的で手段を正当化」しているなと思いました。以下、整理です。
■目的:児童ポルノを根絶する。
■手段:【26万人】の犯罪者の名簿を公開する。
この手段で目的が達成されるでしょうか。
私は、いろいろな課題があると思います。思いつくまま列挙。
・日本にも児童ポルノの罰則があります。摘発の理由は「自己の性的好奇心を満たす目的で、自己の意思に基づく」となっています。理由は様々なので、一概に公開はできない。
・公開されたことで、ダークヒーロー扱いされ、却って犯罪を助長する。
・それほど積極的でなかった人が社会的に抹殺されるまたは自殺する可能性がある。
最近、新刊が発行された田村由美さんの「ミステリというなかれ」では、主人公がこんな風に言っています。
出典:「ミステリというなかれ」5巻
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で、やっぱり自殺者が出ました。
【朝鮮日報】40代男性が漢江に身投げ…遺書には「博士部屋に入金」
(抜粋ここから)
■関係記事
https://www.imdb.com/title/tt0094608/?ref_=tt_sims_tt