今
しかない。
その理由は、「今」の世相を韓国風にアレンジして、ポン・ジュノ監督風のエッセンスを振りまいて出してくれるから。
もし、今の韓国でなかったら、こんなに面白い映画になったでしょうか…。「低層階級を描いただけの映画にならないだけの理由」、それは、
今
を如実に描いているから、今だから感じる何かを訴えているからだと思うんです。イラク戦争やアメリカに殺されたフセイン大統領のことを知ると、「グエムル 漢江の怪物」の面白さが倍増するのと同じで、今の韓国をいいことも悪いことも知れば知るほど、この映画の面白さは倍になると思います。COVID-19くらいの爆発的感染力はあるかと。
#思うのは勝手なんで好きに書いています…。
で、パラサイトの「今」を語る記事がありましたので、ご紹介です。
朝鮮日報:
『パラサイト』の陰には…女性プロデューサーと忠武路の名脚本家
(抜粋)
『パラサイト』のアカデミー4冠を可能にした「ポン・ジュノの仲間たち」は、「ポンテイル」(ポン・ジュノ+ディーテイル〈詳細〉を合わせた造語)に負けず劣らず緻密で、挑戦を重ねる人たちだった。「(ポン監督が)監督賞を受賞したとき、(これで終わりだと思って)喜びの声を張り上げたので、声が枯れていた」というハン氏は、ポン監督の目に留まって脚本家になった。竜仁大映画映像学科を卒業後、2012年に映画『南へ走れ(原題)』(イム・スンレ監督)などの演出チームのメンバーとして映画界に入った。
17年には映画『オクジャ』の演出チームとしてポン監督と出会い、その後『パラサイト』の初稿を書きながら、お抱え運転手や家政婦などの仕事に従事する人々に会って現実的な話を集めた。「38度線から下では路地裏まで明るい」「実戦は勢いだ」など臨場感あふれるキレのあるせりふを自ら生み出し、客席を興奮させてきたハン氏。何度も原稿が変わったが、映画の中の重要なキーワードである「におい」はハン氏が初稿から生かし続けた部分だ。ハン氏は受賞後の記者懇談会で「資料調査を進めながら見て感じたことと、監督と会議の中で話し合ったことがスパークを起こし、テンポのいいせりふが生まれた」と話した。
(略)
美術賞の受賞は逃したものの全世界的に大きな賞賛を浴びたイ・ハジュン美術監督は、スクリーンから「におい」がしみ出してくるかのような半地下の部屋と、大邸宅の双方をつくり上げ、セットのデザインと舞台美術の地平を開いた。再開発地域のレンガを探し集めたり、邸宅の木々1本1本を自ら植えたりするなど、イ監督がつくり出した空間はそれ自体が言葉を発しているようだった。「1インチの障壁」は美術の前ではすでに崩れていた。韓国芸術総合学校舞台美術科を卒業したイ監督は、映画『ハウスメイド』『海にかかる霧』『観相師-かんそうし-』『10人の泥棒たち』などを経て『オクジャ』でポン監督と出会った。
(略)
俳優陣もまた歴史を塗り替えた主役だ。チョ・ヨジョンは「今日は誕生日だが、俳優として最高の誕生日になったと思う。(授賞式が)進むにつれてドッキリカメラのような気分になった。ウルっときた」と話し、パク・ソダムは「まだ夢を見ているみたい。ニュースを見ていたら今夜は眠れなくなりそう」と気持ちを語った。チェ・ウシクは「僕のせりふの中に『計画になかったんだけど』という言葉があるが、計画していなかったビッグイベントがあってとても幸せだ」と話した。
ポン監督が栄誉を受けた際に俳優陣とスタッフたちが頻繁に使う言葉「ポンビオチョンガ」(李氏朝鮮の建国叙事詩『竜飛御天歌〈ヨンビオチョンガ〉』とポン監督の名前を掛け合わせた造語)は、いつしか韓国の観客に向けた感謝に変わった。クァク・シネ代表は「自国の映画をほかのどの国よりも愛する韓国の観客のおかげで、韓国の映画産業が良い映画を作り続けている」と話し、イ・ハジュン監督は「韓国映画が本当にこのレベルまで来たのだということを全身で感じることができた」と感激した様子で語った。
■朝鮮日報
ロイター「『パラサイト』証明書偽造シーン、チョ国疑惑を連想させる」
(引用ここから)
海外メディアではアカデミー作品賞を受賞した韓国映画『パラサイト 半地下の家族』(以下、『パラサイト』 原題『寄生虫』)を紹介するにあたり、チョ国(チョ・グク)前法務部長官一家の疑惑をあらためて取り上げている。「チョ国疑惑」こそ『パラサイト』が描いた不平等や貧富の格差といった韓国社会の断面そのものだということだ。
(引用ここまで)
この記事であがっているのは、ロイター、米紙ワシントンポスト、英紙エコノミスト。
2月15日に文春オンラインで面白い記事があったので、追記します。
■文春オンライン
アカデミー賞作品賞「パラサイト」を観たら知りたくなる韓国“不平等”社会「5つの疑問」に現地記者が答える!
韓国の様々な不動産サイトによると、ソウル市であの家族のような、半地下で部屋が3つある住居を賃貸する場合、「保証金1千万ウォン(約93万円)+毎月30~50万ウォン(約2万8千円~4万7千円)前後」が必要となる。保証金は日本の敷金と同じように、基本的には退去時に全額返却される。
(抜粋ここまで)
映画に登場するいくつかのシーンを参考に、ソウルの富裕層が住む代表的な「富村」、城北区に邸宅があると想定すると、「売買価格は100億ウォン(約9億3千万円)を超えるだろう」とする不動産専門家の意見が紹介されたことがある。
実際に、パク社長のような超富裕層が最も多く住んでいるところは、漢江が一番よく見下ろせる龍山区漢南洞だ。韓国の週刊誌が報道した「2018年1月の国土交通部の資料」によると、漢南洞とその付近には、韓国を代表する財閥の「サムスン」家が計10軒の邸宅を持っていて、他にも「SKグループ」崔泰源会長、「LGグループ」具建模会長などの邸宅が集まっている。
この不動産資産の不平等こそが、韓国人が感じる最も深刻な格差問題だ。進歩派経済団体の「経済正義実践市民連合(経実連)」の資料によると、韓国上位1%の11万人は92万戸の住宅を保有しており、30の賃貸業者が1万1000世帯を保有している。一方、韓国国民の70%にあたる3600万人は、一坪の土地も持っていないという
(抜粋ここまで)
韓国社会は、1997年のIMF危機以降、中産階級が消滅して、一握りの上流層と庶民に分かれてしまった。このような格差社会で、韓国の庶民にとっては、教育こそが今の格差を乗り越えられる唯一の手段だと考えられている。ギウも、やはり名門大学を卒業して大手企業に就職することを夢見ていたかも知れない。
(抜粋ここまで)
《アカデミー賞4冠》映画「パラサイト」ではわからない韓国「超格差」社会【現地記者がリポート】
https://news.livedoor.com/article/detail/17797634/
すでに低成長時代に突入している韓国では、現在若年層の失業がクローズアップされているが、実際もっとも深刻なのは家庭を背負っている中年層の失業だ。韓国では、2020年1月現在、中年の就職率が50ヵ月連続マイナスだ。経済の悪化に伴って製造業などの雇用が減少しており、自営業者もギテクのように倒産の危険に直面している。
映画では、この「匂い」が貧困を描く上で重要な役割を果たしているが、韓国社会において階層によって「匂い」の違いはあるのだろうか。
「韓国社会で、金持ちと貧しい人の動線を見ると、実はあまり重ならない。行く食堂もそれぞれ違うし、飛行機に乗ってたとしても、ファーストクラスとエコノミークラスだから、いつも空間が分かれている。しかし、本作は、主人公の息子が家庭教師として初めて金持ちの家に入り、金持ちと貧しい者が互いの匂いを嗅ぎ合えるほど、非常に近い距離に置かれ、お互いの線をぎりぎり侵犯する、そんな話だ。それで、匂いという新しい映画的装置がストーリーにとって非常に大きな機能をする。
(抜粋ここまで)
■WOWKorea
wowKorea:韓流ドラマK-POP@wow_ko
韓国映画「寄生虫」(日本題名:「パラサイト 半地下の家族」)、韓国の旅客機内で観れない理由が話題。。 ●カンヌ、アカデミーなど、世界的に好評 ●大韓航空:「貧富の格差」など、韓国に… つづき⇒… https://t.co/4vhPzS1Hdm
2020年02月15日 18:33
(抜粋)
●カンヌ、アカデミーなど、世界的に好評
●大韓航空:「貧富の格差」など、韓国に対して否定的な内容であり、機内上映から除外
●アシアナ航空:「扇情的な場面」が含まれ、機内上映から除外
(抜粋ここまで)
興味があるのは、韓国でも魔除けは桃なのかどうか…。
誰か、教えてください。
これは2018年晴明神社に参拝したときに撮影した厄除桃です。