【K-POP】#VIXX #レオ #エリザベート キッチュな感想(2) | いろいろといろ

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 去る12月17日、「エリザベート」2月10日(日)千秋楽(=韓国でいうところの「マッコン」)のチケッティングがありましたが、韓国のプレイガイド『Interpark』の外国人向けグローバル(国際)サイトは11時以前に会員向けの販売が10時から開始なので「無理かな」と思ったら、やっぱり自力では無理でした😅。1月中旬では後方でしたら、ポロポロと空席がありました。

 

 前回の感想では、ミュージカル「エリザベート」の全体的な感想を書きました。マッコンに向けて、「韓国でのエリザベート2018のステージ」の見どころ/気づいた点を「自分のメモ」として書いておこうと思います。そうこうしているうちに、日本でも今年エリザベートの公演があります。そちらもエントリしました。鬼(レオさん)がいない間に心の洗濯しようと思って。ちなみにその目論見はハズレそうですが。

 

 

【1】セット
まず、韓国のエリザベートの演出の見どころは、まずこのセットではないかと。2012年の映像を見ると、同じようなセットになっているので、そのまま使っているんでしょうね。

■舞台の演出全般


 最初のオープニングからこの円盤が大活躍。エリザベートの代役(男性でしたね…そりゃそうだ)さんが落ちて、エリザベートを抱きかかえたトートがこの円盤の上にのって、観客の前に現れるのですが、音楽に合っていてよかったです。また、「私は私だけのもの」のときは、エリザベートのウオーキングでカウントをとりながら、なお、観客に背を向けることがない!!

 #ただエリーザベートの独唱のとき、この円盤を使いますけど、相当早く動いていて、歩幅の小さいキム・ソヒョンさんはちょっと忙しそうでした。たぶん、演目で動きがプログラムされているんでしょうね。

 

#3階から見ると、そのセットの動きがすごくおもしろかったです。

■「私は私だけのもの」



(参考)2012年ウィーンキャストの「私は私だけのもの」

 

 

 

【2】オーケストラと指揮者

 安定したオケでした。日本の舞浜アンフィシアター(最近、K-POPアイドルがこの会場を利用しはじめましたね!!)とか、神奈川県民ホールとか、神奈川芸術劇場とか、東京オペラシティホール(新'swaveが企画するファンタスティックミュージカルコンサートもこの会場です。)とかで演奏したら、もっと「細胞が踊る」音が出せるだろうな…なんて思っておりました。

28日の昼と夜はムンジョン監督の指揮、29日の夜、12月1日は准監督じゃないかと思います。

■ムンジョン監督は「間」をたっぷりとって、転調ごとにどんどんクレッシェンドしていくところが劇的です。「愛と死のロンド」の前にシシーを目の前に「トート」の恋が芽生えるところは、ムンジョン監督の演出がよかったと思いました。


■準監督は、たぶんジャズ関係の仕事もされているのか、リズムセクションが安定していて素敵でした。劇的に歌うのは歌い手に任せて、ベースを固めているという感じですかね…。とくに「キッチュ」はそれぞれのルケーニと呼吸が合っていてよかった。また、第二幕の「安らぎのない年月」は、妙味がありました。


 ウィーンオリジナルでさえもリズムセクションは「…」なんですが(今まで見に行かなかった一因でもある)、準監督の指揮とリズムセクションは楽しく聞かせていただきました。

<参考>私の好きなリズムセクション
https://www.youtube.com/watch?v=hHX6RGRKgF0

【3】音響
 今までブルースクエアは1階の11列目以内で鑑賞していることが多かったので、「音割れ」の多さが気になっていました。テノールはいいんですけど、ソプラノに気持ちがのってきけないのが残念だなぁ…と。ほか、転調してクレッシェンドをかけたときの金管の音割れ、リズムセクションのベースの間延びしてブワンブワン…。スピーカーはオーダーメイドかわかりませんが、明らかに忠武アートホールより新しそうなのに…と思って上を見上げたら、2階3階用に同型のスピーカー…????。2階3階は音を楽しむにはよかったんですが、1階前方はちょっとかなり影響を受けているのかも。あのスピーカーの配置は写真に撮って、詳しい人に意見を聞きたいです。
 
(参考)ハウリングの発生原因と抑制方法

 

(追記)インスタでアップしている人の写真にあったのでお借りしました。日本ではこの場所にこのサイズのスピーカーはあまり見ないので違和感がありました。

(CR:妃希くらら

 

 

【4】エリザベートの演技や小道具

 

私が想像していたよりも、韓国のエリザベートの元気さの演出は2割増しのような…。歌唱はさておき、気になったのは扇子とネックレスの扱い。

 

まず、扇子の扱い…

昔、エリザベートが大好きで。2002年、西日本だけで開催された「皇后エリザベート展」にもいってました。

 

 
 
だからこそ、エリザベート像はこだわってしまいます。

 

■下は突然カメラを向けられたときに扇子で顔を隠したときの写真だそうです。馬上でもこんなに優雅、そしてすごい体幹&安定感。

#(余談)どこかの伝記に「エリザベートは老いた姿をもせたくなかったから」というのがありましたが、それは現代に生きる私達の考え方じゃないかと。英語で撮影することをShoot(狩る)といいますが、写真機が出た当初は「狩られる」という意識が大きいのではないでしょうか。
 
 

 情熱を演出するにしても、バレエだとこんな感じ。

 

■バレエ「白鳥の湖」からスペインの踊り

#(余談)アンサンブルの男性がVIXXくんたちを彷彿とさせます。

 

 

韓国ではこう…。 シン・ヨンスクさんがツイに上げていたのをお借りしました。

 

 
 
 
 
 
 
比較としては日本のエリザベート。
 
 
 
演出が情熱さの表現を求めているにしても、優雅なほうが嬉しい…😃。扇子で人を指したり、ルケーニの手鏡を扇子ではたき落とすのは、やっぱり違和感。
 
 

次はネックレス。

 

このミュージカルでの大事な小物は、ネックレス。各国の衣装を比べると、豪華なほうが嬉しい。まずは歌えていることなんですけど、せっかく若く美しい女優さんなのに、もったいないと思うのは私だけでしょうか。

 

(次回の小道具見直しを祈って、あえて😅)

 

 

【5】トート

 

 

 死(トート)は演じる俳優さんの色に左右されると思います。レオさんのトートをみて思い出したのは、Interviewのエンのダンス。18世紀ごろの宮廷式のお辞儀をするところや「最後のダンス」で誘惑するところの指先や視線の運び方に、ちらほらとエンちゃんのラストファンタジアを彷彿させるところがあって。振り付けはぜんぜん違うけど、なんだろう。

 

 

 

 

 

 そして、リーヴァイ先生がレオさんのトートを気に入った理由かもしれないんですけど、レオさんの最大の強みは、エリザベートの各登場人物の「影」に入り込めることじゃないかと。あるときは、エリザベート自身、あるときは彼女の子供、そしてルドルフ、あるときはフランツ、あるときは従弟のルードヴィヒ2世。

 

きっと脚本の共同作業をすすめているとき、エリザベートの辿った死への行進を深く分析していると思います。個人的には、フロント心理学からのラカンの鏡像段階が大きく影響してたんじゃないかと。

 

(参考)

フランスの精神分析学者ラカンが1936年に提唱した概念で,これによって自我の機能の成立を説明した。幼児は生後6ヵ月から18ヵ月の間にこの段階を通過するが,その際,鏡に映る自分の像や他人の姿を見ながら,鏡像と自分を同一視し,自己の身体的統一感を体験する。これを基礎に〈私〉という自我の意識が芽生えるわけで,そのあと,言語が主役となる象徴的次元へ移っていくという。【宮本 忠雄】

 

私的な解釈は、人のことを言っているはずが、実は自分のことを語っているということ。例えば、「あいつは金にうるさい」と言っている人は、実は「お金に関心が強く、ルーズな人」と思って接したほうが自分の安全を守れます。

 

 

フランツが「エリザベート、ドアを開けて」の後、ベッドに横たわって誘惑する悪魔の形で現れます。ここが、トートの役で一番難しいところではないかと。実はこのときの自分の振舞いにエリザベート自身がびっくりしていたのではないかと私は思うんですね。潜在意識の奥底のフランツが悪魔の形をとって、彼女をあのようにつき動かしたようにおもうのです。

 

 

フランツの歌へのトートのアプローチがどのようにすればはまるのかは、役を演じる人に依ると思うのですが、ここはレオさんは試行錯誤している感じがします。

 

またその試行錯誤ぶりがラブリーなんですがドキドキラブラブラブラブラブラブドキドキ

 

どんどん試行錯誤してほしいです。試行錯誤の後、もっと「時代の変化を吸収したつまり時代を越えたひとことでは語れないトート」になるような気がするんです。たぶん、この世界の作り手のリーヴァイさんの思いもそこにあるんじゃないかなと。

 

 

今日からもトートそしてエリザベートへの模索をがんばってほしいなと思います。

 

 

実はそういう思いもあってレオさんが生まれた年に鋳造されたコインを差し上げました。エリザベート論はファンレターに書くことではないので、「このミュージカルが公開された当時の人の気持ちが(時代を越えて)レオさんのトートを支えてくれるように」みたいなことを書いてわたしましたが、果たして伝わっているのでしょうか。

 

 

 

■過去ブログ

【K-POP】#VIXX #レオ #エリザベート キッチュな感想(1)

 

■無駄なあがき

以上のことを伝えたかった私のツイ。