真夏の方程式 ⑭
「何本も折れた肋骨。それから今回は無事だった脊椎。この二か所はしっかり守れるわ」
史はさらに続ける。
「鎖骨の保護も期待できるしね」
そう言いながら、実物を俺に手渡した。
「これがスペシャルギアか」
俺は長袖Tシャツの上から試着してみた。

軽い。
そして驚くほど窮屈感がない。
「おっ、これ背中側のサポートもいいな」
思わず本音が漏れた。
「でしょ?」
史は満足そうにうなずいた。
バイク歴は長いが、ボディプロテクターを装着するのは初めてだ。
正直、安心感がまるで違う。
事故の前から着けていたら、結果はかなり変わっていたかもしれない。
そんな思いが頭をよぎった。
「史、スペシャルギア了解。夏もこれを着けて走るよ。風通しも良さそうだしな」
「決まりね」
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