真夏の方程式 ⑮
史も満足そうだった。
俺はふざけた口調で言った。
「でも、お値段高いんでしょう〜?」
テレビ通販の司会者の真似である。
とはいえ、ここは二輪用品専門店だ。
ワークマン価格というわけにはいかないだろう。
俺は老眼の目を凝らして値札を見た。
「アンダー七千円か」
思ったよりずっと安い。
得られる安心感を考えれば、十分に納得できる価格だ。
「思ったより安いな。スペシャルギア、採用だ」
「当然です」
史は満足そうに笑った。
86のトランクには、今日の戦利品が次々と積み込まれていく。
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