人生初の4人部屋
2泊3日の短期入院は大きなトラブルもなく終了し、退院の日の朝を迎えた。
今回は個室ではなく4人部屋で、同室の患者は自分に比べればかなり高齢の長期入院者のようだった。
ひとつだけ困ったことがある。
テレビを見ていると、突然チャンネルが変わったり、電源が急に入ったり切れたりするのだ。
最初は気味が悪かったが、どうやら隣の入院患者のテレビリモコンの電波が、自分のテレビに飛んできているらしいと気づいた。
仕方がない、とあきらめた。
退院当日、退室の準備をしていると、隣のおじいさんが声をかけてきた。
「おや、もう退院かい? 随分と早いな。若いと治りも早いんだな」
「いえ、若くないですよ。もうすぐ60ですし。そちらは退院のご予定は?」
「ようやく来月の中旬に決まったよ」
「そうですか。もう少しですね」
そう答えた。
しばらくして、主治医の堤先生が回診に来てくれた。
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