慢性硬膜下血腫
「お嬢さんのご指摘どおり、慢性硬膜下血腫です」

その後、病状の説明と、今後の治療方針について一通りの話があった。
そして最後に、堤医師ははっきりと言った。
「今日の午後一時半から、開頭手術を行います」
「よろしくお願いします」
俺は堤医師に、深く頭を下げた。
少し間を置いて、宇都宮前理事長※が口を開いた。
「直太郎君よ。親父さんが亡くなったのは、何歳の時だったかな?」
「五十三歳でした」
「そうか……若いな。
あの時は助けてやれなくて、残念だった。
だが、君は必ず助ける」
「ありがとうございます。よろしくお願いします」
俺は改めて言った。
「大丈夫ですよ」
堤医師も、俺と彩に向かって柔らかく微笑んだ。
※宇都宮理事長については、2025.2.25「オートバイをもう一度(143)」をご参照ください。
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