新旧理事長
撮影が終わり、再び待合室で待っていると、また名前が呼ばれた。
娘の彩を伴って診察室に入る。
スクリーンとPCの前に、四十代と思しき、感じの良い医師が座っていた。
その後ろには、白衣姿の宇都宮前理事長が、両手を後ろに組んで立っている。
「宇都宮先生、お久しぶりです」
俺は頭を下げた。
「おお、直太郎君。久しぶりだな。
だがな、俺はもう理事長じゃない。理事長はここにいる、娘婿の堤医師だ。脳外科の名医だぞ」
「ああ、そうでしたね。
昔、病院の建て替えと事業承継のお手伝いをさせていただきました」
「その節は大変お世話になりました」
堤医師が、穏やかに微笑んだ。
「さて、診断ですが……」
堤医師はスクリーンを示しながら続けた。
※宇都宮理事長については、2025.2.25「オートバイをもう一度(143)」をご参照ください。
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