MRI
大阪市内のホテルから大阪北病院までは、車で二十分ほどだった。
久しぶりに訪れる大阪北病院。
彩に車を駐車場へ回してもらい、俺は自力で外来受付まで歩いた。
左足を引きずる感覚は確かにある。
だが、まだ歩けないわけではない。
それでも――確実に悪化していく、嫌な予感があった。
受付で、娘の彩が言った。
「山本と申しますが……」

若い受付の女性は、すぐに頷いた。
「宇都宮先生から伺っております」
外来の待合室で待っていると、間もなく名前が呼ばれた。
「MRIを撮りますね」
「お願いします」

少し冷えた検査室で靴を脱ぎ、MRIの台に横たわる。
耳栓をされ、俺は静かに目を閉じた。
「十五分ほどかかりますので」
検査技師の男性の声が遠くなる。
※宇都宮理事長については、2025.2.25「オートバイをもう一度(143)」をご参照ください。
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