公共交通機関の活性化
「鉄軌道を活性化させ、その沿線に住居や商業、行政、文化を集中させる。これが“串”であり、“お団子”の都市構造です」
「お団子と串…分かりやすいですね」天野次長が感心する。

「実際にJR高山本線では、増発運行に加えて駅前広場や駐輪場、P&R駐車場の整備を進めました」
「沿線住民の利便性向上ですね」
「その通りです」

京田社長はページをめくる。
「効果は数字に表れました」
「…すごい。これほど利用者が増えたんですか」天野次長が思わず息をのむ。

さらに高齢者対策として、「おでかけ定期券」を導入。65歳以上は市内の公共交通を一律100円で利用できる。
「たとえば通常1,160円の区間も100円にしました」
「え、そんなに?!」大杉主任が目を丸くする。
「結果、平日利用は2倍、休日は3倍以上に増えました。健康寿命の延伸にもつながっています」
「これは…すごい取り組みだわ」天野次長が深くうなずいた。
2時間に及ぶ熱のこもったレクチャーが終わる。
「京田社長、本日はありがとうございました」
「大阪に行く機会があれば、千﨑部長に一杯おごってもらうと伝えてください」
「必ず伝えます!」大杉主任が笑顔で応じた。
二人は富山市民プラザを後にした。
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