レクチャー開始!
天野次長は姿勢を正した。
「本日は“富山モデル”を学ばせていただきに参りました」
京田社長は、まずこう切り出した。
「最初に“答え”を言ってしまいましょう。――“富山市民ファースト”です」
「どこかの政党のスローガンみたいですね」大杉主任が笑う。
「観光客ファーストではないんですか?」天野次長が問いかける。
「新幹線の改札口で何か気づきませんでしたか」
「改札を出たら、目の前がLRT乗り場でした」
「そうです。観光客優先なら土産物店が並びますよね。でも富山は市民優先。学生やサラリーマンに好評なんです」
「なるほど…」
そこから本題に入った。
京田社長は資料を広げながら語る。
「富山市が目指すコンパクトシティは、生活サービスを中心部に集約し、公共交通でつなぐ仕組みです。人口減少や高齢化で買い物や医療サービスが維持できなくなる前に、先手を打つのです」
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