地域戦略部には戦略が無い(201)フォーラム当日 | cb650r-eのブログ

cb650r-eのブログ

ブログの説明を入力します。

フォーラム当日

会場は大阪・中之島のグランキューブ大阪。
「メインホール」2,754席は事前登録でほぼ満席。
中小・零細企業の経営者が半数を占め、市民、研究者、学生、自治体関係者が続き、大企業の担当者がちらほら見える。
まるで大阪の縮図そのものだった。

 



開場と同時に、会場は熱気に包まれた。
空気がざわめき、期待が渦を巻く。

そして幕開け。
圧巻だったのは、やはりオープニング直後に行われた千葉理事の基調講演だった。
冷静で科学的な根拠に裏打ちされた言葉。
だがそこに込められたのは、未来への希望を切り拓こうとする熱いメッセージだった。



聴衆は水を打ったように静まり返り、一言一句を飲み込むように聞き入った。
講演が終わった瞬間――割れんばかりの拍手が津波のように押し寄せた。

続くパネルディスカッションでも、意見は鋭く、ぶつかり合い、そして共鳴した。
ときには会場から自然と拍手が湧き、熱気がさらに高まる。

フォーラムは大盛況のうちに幕を閉じた。
講師控室を訪れると、千葉理事の前には名刺交換を求める長蛇の列ができていた。

遠くから視線を送ると、千葉っちが気づき、軽く会釈を返してくる。
その何気ない仕草は――あの高校時代と、まるで変わらなかった。

「今日は最終便で東京に戻るそうです」
成瀬代理が小声で伝えてきた。

胸の奥にじんわりと広がる感慨を抱きながら、俺はその光景を目に焼きつけた。

 

このブログの内容はフィクションです。 実在の人物や団体などとは関係ありません。