コンペの結果は…
その後の準備は、千葉理事の力添えもあり、驚くほど順調に進んでいった。
彼が自らネットワークを駆使し、国立環境研究所の花咲室長や、エネルギー・資源学会の竹橋会長といった錚々たる顔ぶれをパネラーとして推薦してくれたのだ。
俺たちの企画は、日に日に厚みを増していく。
しかし安心などできなかった。入札方式の企画競争――各社が一対一でプレゼンを行うため、他社の提案はまったく読めない。
ただひとつ、胸にあったのは確信だ。
「このラインアップで負けるはずがない」
二週間後。結果は一本の電話と、公式ホームページで告げられた。
――大阪ビジネスコンサルタンツの企画、採用決定。
しかも、他社を圧倒的な得点差で。
受話器を置いた瞬間、胸の奥に押し込めていた感情が爆発する。
「……勝った!」
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