まずは乾杯!
「まずは乾杯からね」
伊達木社長が、涼やかな声で言った。
「今夜のシャンパンは、《La Grande Année 2015》をご用意したわ」

その言葉に呼応するように、久保兄がシャンパンクーラーから丁寧にボトルを取り出し、水気を拭う。
そして、静かに栓を抜いた。澄んだ音とともに、立ち上る香りがシャンパングラスにふわりと広がる。
4つのグラスに金色の泡が注がれた瞬間、伊達木社長が言った。
「今日という素晴らしい出会いに、カンパーイ」
グラスが軽やかに触れ合う。音が消えたあと、一瞬の沈黙。
そして、自然と笑顔がこぼれた。
久保兄が前菜をサーブする。
そこへ、発泡スチロールの箱を抱えた久保弟がテーブルに近づいた。

「本日は、石川県の岩ガキが入っております。生牡蠣が苦手な方はいらっしゃいますか?」
そう言って、大ぶりの岩ガキを披露する。
全員が「いただきまーす」と声を合わせた。
「夏のペチカ名物といえば、この岩ガキですよ」
湯村社長が嬉しそうに言う。
「この料理には、白ワインを合わせましょう」
伊達木社長が、空になったグラスを静かにテーブルに置き、次のボトルを促した。
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