地域戦略部には戦略が無い(128) | cb650r-eのブログ

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弊社の新しい業務の領域は…。

 

「フォレスト・トラストグループは、コーポレートスローガン『Change the Future』のもと、既存の不動産投資の枠を超えて、新しい領域への挑戦を続けています。たとえば、ウェルネス事業や保育所の開発など、御会と連携できる可能性もあるかもしれません」



少し間を置き、軽やかに続ける。

「また、CCRCに関わるスタートアップ企業との協業や連携を通じて、新たなイノベーションの創出も、お手伝いできると考えています」

一切の押しつけもなく、それでいて芯のある提案だった。
その場にいた誰もが、“この人は本気だ”と直感するような、そんな一言だった。

横で聞いていた大杉主任は、心の中で思わず叫んでいた。

(ちゃんと、ビジネスにしとるやないかい!)

だが、その言葉はもちろん、胸の中にしまっておいた。
会議室には、まだじんわりと熱の余韻が残っていた。

佐世保での会議を終えた一行を乗せて、黒のアルファードはさらに北へと向かっていた。目的地は松浦市。空はすっかり晴れ、窓越しの光が車内をほんのり温めている。

天野次長と大杉主任の方を見やりながら、伊達木社長が口を開いた。

「OBCって、私、成瀬さんくらいしか知らないんだけど……なんでそんなに介護や福祉に詳しいの?」

唐突な問いに、大杉主任が照れくさそうに笑いながら答える。

「いやぁ、実はですね……四菱総合研究所の松川主任調査役のレクチャーを受けたばっかりの、付け焼き刃ってやつでして。へへへ」

すると、すかさず天野次長が補足する。

「いえいえ、うちの副部長の山本は、もともと医療・介護分野のコンサルを10年近くやってまして。CCRCについては、かなり詳しいんですよ」

「ほう……」
伊達木社長が小さくうなずき、楽しげな声で続けた。

「じゃあ、不動産や開発は成瀬さん、医療・介護・福祉は副部長、人事・エンゲージメントは天野さん、国際と外為は大杉さんって感じなのね」

 


 

「まあ、そんなところですね」
天野次長が少し誇らしげに答えた。

 

このブログの内容はフィクションです。 実在の人物や団体などとは関係ありません。