地域戦略部には戦略が無い(126) | cb650r-eのブログ

cb650r-eのブログ

ブログの説明を入力します。

成功のキーワードは…。

 

「佐世保版CCRCの成功のキーワードは……ゴルフです」



一瞬、空気が緩む。それでも大杉主任は淡々とプレゼンを続けた。

「ご存じのとおり、シニア世代にはゴルフ好きが多い。長崎――特に大村湾周辺には、質の高いゴルフ場が数多く点在しています」

そう言うと、大杉主任は地図を提示し、エリア内にある複数のゴルフ場を一つずつ示した。

「しかも、平日のプレー費は都市部に比べて圧倒的に安い。もちろん、会員権もです」

スクリーンには、料金の比較表が映し出される。あまりの差に、参加者の一人が思わず「確かに……」とつぶやいた。

「できれば、会社をリタイアして間もない、自家用車の運転もまだまだ問題ない世代に来ていただきたいですね。もし必要なら、送迎バスの運行も検討できます」

天野次長の補足に、場の空気がさらに現実味を帯びてくる。

「次に――大学との連携についてです」

すると、参加者のひとりが声を上げる。

「大学なら、すぐそばに佐世保国際大学があるぞ」

「その通りです」
天野次長が力強くうなずいた。

地域の高等教育機関との連携によって、学び直しやボランティア、地域活動の選択肢が広がる。高齢者が孤立せず、知的にも社会的にも豊かな時間を過ごせる環境づくり――それが、次なる柱となる。

そして最後に、大杉主任がやや意外な視点を提示した。

「実は、シニア層には“競馬好き”も意外と多いんです」

一瞬、笑いが起きそうになるが、大杉主任はまじめな表情を崩さない。

「JRAの場外馬券売り場も、この地域には存在します。ギャンブルといっても、これは国が認める公営事業。適度に射幸心を満たす場として、心のハリを持ち続けるきっかけになるんです」

やや意表を突かれながらも、参加者たちはその着眼点の広さに舌を巻いていた。

プレゼンが終わる頃には、会議室の空気がわずかに変わっていた。誰もが、この地に新しい未来の形が生まれるかもしれない――そんな予感を、どこか確かに感じていた。

 

このブログの内容はフィクションです。 実在の人物や団体などとは関係ありません。