地域戦略部には戦略が無い(123) | cb650r-eのブログ

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長崎スタジアムシティ

 

「ところで、土曜日は何を?」
大杉主任が尋ねた。

「サッカーの試合、観に行こうよ。スタジアム・シティで」
いたずらっぽく笑いながら、伊達木社長がさらりと言う。

 



「ほんとですか?」
大杉主任の目が、ぱっと明るくなる。

「あなたたちの食事代も、延泊分のホテル代も、他にかかる費用も――全部、私のポケットマネーで出してあげる。もちろん、千﨑さんには私からきちんと連絡しておくから、安心して」

「やったー!」
大杉主任が思わず両手を挙げて喜んだ。

 



そんな様子を横で見ながら、天野次長は小さく笑い、静かに口を開いた。

「伊達木社長。ところで――その見返りに、何を差し上げればよろしいでしょうか?」

伊達木社長はにっこりと微笑む。

「そうねぇ。じゃあ、車での移動中にでも……あなたたちが長崎に来た“本当の目的”、聞かせてもらおうかしら」

その笑顔は、どこまでも軽やかで――けれど、どこか核心を突いていた。

 

このブログの内容はフィクションです。 実在の人物や団体などとは関係ありません。