本気の遠足?
「医療法人Hって、福岡発祥のHでしょ? 理事長も佐世保の院長もよく知ってるから。今、連絡入れるわ。“明日の会議、オブザーバー参加”ってことで、ちゃんと許可もらっとくから安心して」
「本気ですか…?」

天野次長の驚きもそこそこに、伊達木社長はさらにたたみかける。
「それで、そのあとは?」
「佐世保市のさらに北、松浦市にある魚市を見学する予定です」
「そこ、まだ行ったことないのよね。行く! 絶対行く!」
伊達木社長のテンションは、すでに翌日の旅程を自分のものにしていた。
「それから、それから?」
「その後は、長崎空港から伊丹行きの最終便で帰る予定です」
「そのチケット、変更できるタイプ?」
「はい、一応変更可能なプランですけど…」
「じゃあ、日曜日の便に変更しておいて」
「日曜日ですか?」
「レンタカーもキャンセルね。キャンセル料はもったいないけど、代わりに、うちのアルファード出すわ」

思いがけず賑やかになった明日の予定。
大人たちの「本気の遠足」は、誰もが予想していなかった形で、ゆっくりと幕を開けようとしていた。
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