MICEとはナニ?
まず最初に案内されたのは、長崎駅西口と連結しているMICE施設だった。
「こちらが『出島メッセ長崎』です。2021年11月1日に開業しました」

案内役の上田さんが、手にしたメモ帳を見ながら懸命に説明してくれる。
「MICE(マイス)っていうのはご存じかもしれませんが、Meeting(会議)、Incentive Travel(報奨・研修旅行)、Convention(学術会議・業界会議など)、ExhibitionまたはEvent(展示会・イベント)の頭文字を取った言葉でして、ビジネスや政治、学術の分野で行われるイベントの総称です」
「2階には、約3,000人を収容できるコンベンションホールがあります。閣僚級の国際会議や全国規模の団体の大会も視野に入れた本格的な設計だそうです。1階には多目的なイベント・展示ホールがありますし、さらに、10人未満の会議から約600人規模まで対応できる大小24の会議室が整備されているんですよ。
「開業から最初の1年間、2022年11月1日までの利用者数は約66万人。目標を大きく上回ったそうです。コロナの影響もあった中で、これは大健闘だと思います」
そう語る上田さんの声には、地元に対する誇りのような響きがあった。
「というのも、この施設、建設段階で議会から2度も反対されて、かなり難航した“箱もの”だったんです。それだけに、成果が出て本当によかったですよ」
催事件数は学会や会議、展示イベントなどを合わせて1,662件。経済波及効果は約125億円。開業前の試算では約114億円だったそうで、それを上回る実績となったという。
「ただ、2023年や2024年の実績は、昨日ネットで調べたんですけど、ちょっと情報が見つからなくて……。すみません、事前に調べきれなくて」
「いえいえ、わざわざありがとうございます」と天野次長がやわらかく応じる。
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