『Share金沢』
7月上旬の月曜日。恒例の週次案件会議の日だ。
一通り、手持ちの案件と今週の動きについて各人が報告し終えると、進行役の俺は最後のひと言を投げかけた。
「では最後に、部長から何かございますか?」
その言葉に応じて、千﨑部長がゆっくりと口を開く。
「先日の件だが――山本副部長が企画してくれたCCRC関連の『Share金沢』視察についてね。今回は、天野次長と大杉主任の二人に行ってもらおうと思っている。副部長、どうだろう?」
「もちろん、異論ありません」と俺は即答したうえで、少し口角を上げた。
「CCRCの視察には、やはり女性の視点が欠かせませんし。それに、沖縄でのお二人の大活躍に、まだご褒美を渡せていませんからね」
部屋にふっと和やかな空気が流れる。
「加えて、四菱総研の松川さんに紹介してもらって、CCRCの有識者である金沢学院大学の大矢さんにアテンドをお願いできそうなんです。きっと、実りある視察になると思いますよ」
すると、天野次長がスッと立ち上がり、やや芝居がかった調子で言った。
「私どもに、お任せください」
その一言に、会議室の空気が和らぎ、笑いが広がった。
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