Nakanoshima Qrossに行く前に
料理が運ばれたとたん、井村さんが口早にしゃべりだした。
「じゃ、Nakanoshima Qrossに行く前に、日本の創薬ベンチャーがなぜ苦戦してるか、5つだけ覚えといてね。」
指を折りながら、テンポよく語りはじめた。
1.資金調達の壁
創薬って、ざっくり言うと10年・数十億円コース。しかもリスク高め。そんなものに喜んで投資したがる人、日本にはあんまりいない。
2.経験値の乏しさ
臨床とか薬事とか、ガチ勢が少ない。外資系で鍛えられたタフな人材も、なかなかベンチャーには来てくれない。
3.「出口」が見えない
M&AやIPOっていう"出口戦略"が見えないと、投資家は怖くて入れない。でも日本はM&A文化がまだまだ薄味。
4.制度が……うーん
規制多い。支援制度は悪くないけど、欧米に比べたらエコシステムが未発展。
5.研究とビジネスの断絶
研究はすごい。でもビジネスになるとからっきし。大学発ベンチャーほど、この橋渡しが苦手。
「なるほど、超わかりやすいです!」
彩が目を輝かせた。
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