オートバイをもう一度(60) | cb650r-eのブログ

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「CB650R e-clutch」師走に納車って、寒くない?

 

大人の事情

 

品川駅そばにある初芝病院。もともとは初芝電産の企業病院だったが、現在では誰でも受診できる大きな病院である。
受付を済ませ、7階の医局フロアへ通される。副院長室は6畳ほどの広さで、机と応接セットが配置されていた。
名刺交換を行う。

黒田晃大(あきひろ)副院長。
細身で背が高く、スポーツマンタイプの男性だ。

「小川、すまない、呼び出して。」
「こいつは山本といって、部下というよりはツーリング仲間だ。」
「俺もCBR400RRに乗ってるが、最近はずっとカバーがかかったままだがな。」
「山本です。BMWのK75に乗っています。よろしくお願いします。」

しばらくの間、バイク談義や、慶應大学の野球部時代の昔話などで盛り上がった。

やがて、話題は本題へと移る。

「さて、本題だが、ズバリ言うと、最新のMRI(Magnetic Resonance Imaging、磁気共鳴画像法)が欲しい。」
「オランダのフィリクス(Philyx)社の最新型Mutive 1.0Tだ。」

MRIは1990年代に大手病院で普及している。

「素人発言で恐縮なんですが、初芝病院は初芝電産の企業病院ですよね。確か、関連会社の初芝メディカルシステムズがMRIを世界で初めて商用販売したんじゃなかったんですか。そこの最新機種ではダメなんですか?」

「まあ、最新型ではないが、ここにもそれなりのMRIは当然ある。」と黒田副院長は答えた。

「そういうことだ。」小川次長が口を開く。「まあまあ、山本よ、大人の事情を察してくれ。」

大阪貿易が輸入代理店となり、オランダのフィリクス社の最新型MRIMutive 1.0Tを輸入する予定だ。価格はCIF(運賃・保険料込み本体価格)で約3億円になる。

 

 

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