半年前に、CB650R e-clutch を注文したような気もする。
田町駅から
結局、俺はしぶしぶ東京駅から山手線に乗り、田町で降りてジュリアナ東京へ向かった。入口には長蛇の列だ。俺たち、コート姿のビジネスマン2人はどう見ても浮いている。
順番が回ってきた。黒服の係員が見た目からすでにやんわりと首を横に振っている。 「申し訳ありません。当店のドレスコードを満たしておりませんので、お二人は…次の方、どうぞ。」
「ほら、だから言ったじゃないですか。」 「よし、コートを脱いで並び直そう。」 「正気ですか?寒いですって。」 「いや、これは貴重なチャンスだ!もう一度だ、山本!」
仕方なくコートを脱ぎ、もう一度並び直す。再び順番が回ってくると、今度も黒服の係員は穏やかに、「コートを脱いでも無理ですってば」と微笑む。 それでも今福課長は諦めず、「大阪から来たんです!お願いしますよ~!」と粘るが、「いい加減にしてくれ!」と黒服さんにピシャリと断られる。
肩を落としつつ、田町駅の公衆電話からエバンティに電話することにした。 「もしもし、ジェイクさん。大阪貿易の山本です。今そちらにうちの小川次長、お邪魔していませんでしょうか?」 「イラッシャッテマスヨ。ショウショウ、オマチクダサイ。」
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