はるか昔に、CB650R e-clutch を注文したような気がします。
石田ゆり子降臨?
「うわ、奥様、石田ゆり子にメチャ似てる。」と心で思ったが、黙って4人席に通される(子供が小さいので4人席で十分)。注文してしばらくすると、長崎ちゃんぽん、餃子、皿うどんが運ばれてきた。「いただきます。」と口に運ぶ。大阪時代の「餃子の王将」を思い出しながら、マイルドな味の餃子やちゃんぽんを楽しむ。子供たちは、子供用の取り皿に好きなものを取って食べている。
「ねぇ、気づいた?」奥様が俺に言っている。「はぁ。」と俺。「餃子よ。ニンニク入ってないのよ。」奥様は続ける。「長崎の人って、ニンニクを食べないらしいのよ。県民性なのかね。」
「あと、このちゃんぽんスープ、東京では醤油味だけど、長崎では豚骨スープなんだって。すごくない?」「はぁ。」
「それに、このちゃんぽん店の姉妹店に『浜勝』ってとんかつ専門店があってね、社長は「浜 勝(はま まさる)」さんって人らしいよ。」「そうなんですね。」と俺は適当な相槌を打つ。
「あと、皿うどんのルーツは東京の『固焼きそば』らしいんだけど、長崎の人はお酢じゃなくてウィスターソースをかけて食べるらしいよ。ほら、ここに『ソース』の容器があるじゃない。」
東京育ちのお嬢様らしい。自分も九州のことはあまり知らないし。
奥様のマシンガントークが一段落し、俺は一人、荻窪の独身寮へ帰ることに。
「道わかるか?」と小川さんが心配そうに尋ねる。「不思議なんですけど、一度走った道は、何となく忘れないんですよ。多分大丈夫だと思います。」そう言ってバイクに跨る。「本当にありがとうございました。そして、ごちそうさまでした。」と告げて、俺はバイクを発進させた。
翌日、小川次長には言わなかったが、道に散々迷いに迷い、荻窪の独身寮にたどり着いたのは、夜の10時を過ぎていた。
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